手紙を送るには日ごろの準備が必要
現代はメールを使うことが多いため、手紙が届くと印象に残ります。一文字一文字ていねいに書いた手紙でお礼やお詫びを伝えると、より相手に気持ちが伝わるでしょう。
お礼やお詫びの手紙は、便せんと封筒を使うのが基本。特に目上の方に葉書を使うのは失礼です。葉書は読んで字のごとく、本来タラヨウの木の葉や着物の切れ端に書いたもの。封書で送るのがマナーです。
しかし、いざ手紙を書こうと思っても、便せんや封筒が手元にないと送るのが遅れてしまいます。そこで、お礼の手紙であれば葉書を使い、1行目に「葉書にて失礼いたします」と書けばOK。マナー違反をするときは先手必勝。相手も「この人は自分のマナー違反をわかっているんだ」と思い、許してくれるはずです。
また、お礼の手紙を書くとき、おすすめなのがメッセージカードです。カードを封筒に入れることで封書扱いとなり、相手に敬意を表すことができます。手紙に香りを添える文香を同封すれば、封筒を開けたとき、ふっと香り、気持ちがなごみます。
こうした手紙をいつでも出せるよう、素敵なカードや封筒、文香を常備しておくといいでしょう。そして、切手の準備も忘れずに。仕事も人生も準備が大切です。手紙も日ごろから準備をしていないと、タイミングよく出せません。いくら相手を思いやる気持ちがあっても、タイミングがズレると相手に届かないのです。
このように思いやりの心をもって、言葉遣いや声の表情、便せんなど隅々にまで心を配ることが、お礼とお詫びのマナーです。しかし、思いやりの心は急にはもてません。常に周囲の人々を大切にし、誠実な気持ちで接することが、お礼とお詫びのマナーにつながるのです。
ありがたい思いを感想とともに伝える
昔から「お礼は3日以内に!」といわれていますが、時代が変わっても、人の気持ちは変わらないもの。できれば3回、最低でも2回はお礼を伝えましょう。
例えば、ビジネスの場で食事をごちそうになったら、会計後に「ごちそうさまでした」と伝え、翌日にメールまたは電話で「昨日は、ありがとうございました」とお礼を言います。そして、3回目は次に会ったとき。「先日は、ごちそうさまでした」と伝えましょう。しかし、感謝を心に刻まないと、3回目を忘れてしまいます。日々、感謝の気持ちを忘れずに過ごすことで、相手も自分もハッピーになります。
また、相手にきちんと感謝の気持ちを伝えたいときはメールや電話のあとに手紙を書きますが、メールでも手紙でも、「素敵なお店で、豊かな時間を過ごせました」など感想を添えて。ありがたい気持ちが、より相手に伝わります。