5.財布を持たない

クレジットカードは言うに及ばず、電子マネーカードやQRコード決済もスマホで完結する時代ですから、もはや物理的に現金を持ち歩く必然性がありません。

キャッシュレス決済ならポイント還元が受けられるうえ、ATMに並んで現金を引き出す手間もかかりませんから、値引きと時間の節約という二重の効果があります。だからもう、財布を持たない富裕層が増えているのです。かつて言われた「お金持ちは長財布を持つ」という話が都市伝説になる日も近いでしょう。

6.プラチナカードやブラックカードを持たない

仕事などで頻繁に海外に行く人はともかく、普通の富裕層にとって年会費が10万円や30万円もする上位カードを持ったとしても、その金額に見合う恩恵を受けられる人はほとんどいません。

かつてはカードの色がステイタスシンボルになっていた時代もありますが、今の富裕層にはそんな見栄はなく、極めて合理的で現実的。なので、年会費無料など、よりローコストで高還元率のカードを選ぶ傾向があります。

7.お中元・お歳暮・年賀状を送らない

昨今はSNSで常時つながっている時代ですから、相手の近況も知っています。なので、あえて改めて時候の挨拶をする必要がありません。

そのため、かつて主流だった礼儀や感謝を伝える方法としてのお中元・お歳暮・年賀状などは送らなくなっています。会社を経営している人や年配の顧客が多いなど、ネットでのつながりがない関係性の場合は引き続き送っていますが、それも減っています。

最後に、これらを全部採用したとしたら、あなたの手元に残るお金はどのくらい増えるでしょうか。

上述したものは多くの人にとって生涯かかってくる費用ですから、たとえば自分がいま40歳であれば、あと50年近く払い続けるわけです。

もし月1万円でも削減することができたとすると、年間12万円、50年で600万円ですから、その累積効果は非常に大きい。その出費に見合ったメリットが享受できるのならともかく、見直してみる価値はあると思います。

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午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。