好きなことや熱中していることを話す

もう1つは「相手に出身や趣味の質問をするのも大事ですが、もっと自分のこともお話しするといいと思いますよ。遠慮せず、好きなことや熱中していることを話すことで、その人の人間性が見えて、人とのつながりも深まりますから」とアドバイス。今回は、案内フレーズに加え、そんな自分のことを話す英語も教えてもらった。

さらに英語のレベルアップをめざす人なら、言葉選びで知性や気品の感じられる話し方に挑戦を。

「いわゆる中学英語のレベルでも会話は通じますが、英語は単語の選び方や語彙ごい力でその人の知性や教養が見えてしまいます。オバマ元大統領のスピーチはよく英語学習の良い例としてあげられますが、彼の言葉選びと語彙力からは、彼が教養のある人だということがよくわかるのです」

例えば、私たちが日常の中でよく使う単語でも「得る」という「get」を「obtain」に、日本語でも使う「level up」を「improve」や「enhance」という単語に変えるだけでも、一気に品格がレベルアップすると教えてくれた。

「短めの海外ニュースを読んだり、気になる単語は必ず辞書で例文を引いたりする習慣をつけてみるといいでしょう」

ちなみに海外の人との会話では、年齢、外見、性別、人種、民族に関する固定観念や一般論にとらわれてしまう発言は、避けよう。「例えば『女性はこういうのが好きですよね』とか『若いからこうですよね』というのも、日本ではよくありますが、海外ではNGです。ダイバーシティとは、さまざまな生き方や個性を尊重することですから、会話でも気をつけたいですね」

“海外の人との会話では、思い込みに注意。さまざまな生き方や個性を尊重して”

構成=岩辺みどり

ロッシェル・カップ(Rochelle Kopp)
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社長

異文化コミュニケーション、人事管理、リーダーシップと組織活性化を専門とする経営コンサルタント。ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング代表取締役社長も務める。『英語の品格』『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』など著書多数。