食事中は……

飲めなくても乾杯は全員で

アルコールが苦手な人も、最初からノンアルコールのドリンクを頼むのではなく、乾杯のグラスは全員と同じものを掲げるのがルール。その後、ワインを注がれそうになったら、グラスにフタをするように軽く手を添え、「結構です」と断るとスムーズ。

食事中は音を立てない

食事中は極力音を立てないのがマナー。特にスープをすする音は気になるもの。スプーンを自分のほうに近づけ、口の中に静かに流し込むようにするとエレガント。最後は皿を奥に傾け、手前から奥にすくう。

左からカットし、ひと口で食べる

魚も肉も、すべて左からカットする。大きさはひと口大にし、カットした分は歯でかみ切ったりせず、ひと口で食べ切る。食べ物を頬張ったまま話すのは厳禁。残してしまったら、フォークで皿の右奥に寄せておく。

つねにナイフの刃は自分側に

「食事中」はナイフとフォークをハの字に、「食事終了」はフォークの背を下にして、ナイフとそろえて置くのがサインに。ナイフの刃はくれぐれも自分側に向けること。相手に向けるとトラブルのもとに。

料理を褒めるより、時間に礼を言う

会食のお礼は「ごちそうさま。おいしかったです」よりも「楽しい時間をありがとうございました」が正解。前者は、食事以外は楽しめなかったのかと思われる。後者にして、演出や会話、出会いなどに触れながら感謝の思いを表情豊かに伝えたい。

構成=本庄真穂 写真=iStock.com

鈴木 忠男(すずき・ただお)
一般社団法人日本プロトコール&マナーズ協会顧問

株式会社オフィスSUZUKI代表取締役。東京サミット、昭和天皇の崩御、上皇陛下の即位や立太子の礼などに伴う国賓への接遇を担当するなど、わが国における国賓接遇の第一人者。