いざというときに迷ってしまうのがテーブルマナー。食事と時間、どちらも味わう敬意表現の方法を解説します。
レッドのディナーテーブルのセッティング
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Eshma)
着席までは……

会の趣旨をしっかり理解する

会食の日時、場所はもちろん、主催者、参加者、開催目的をきちんと理解してから臨むこと。するとどんな服装がふさわしいのか、どんな会話が場を盛り上げるのかなど、事前準備が万全になる。遅刻はもってのほか。余裕をもって少し早めに会場へ。

身だしなみをきちんと整える

会場に入る前に、レストルームを賢く利用すること。食事の邪魔にならないようにヘアをまとめたり、パンをちぎって食べることを考えて手洗いをするのも重要。またワイングラスに口紅の跡が残らないよう、軽くティッシュオフしておくのもマナー。

着席後は……

姿勢を正して美しく座る

着席は、椅子の左側から入るのがルール。自分で椅子を引かず、サービス担当に任せること。バッグは足元に置き、小さければヒザの上に置くのが正解。腰の後ろに置くのはNG。テーブルと自分との間は、握りこぶし1個から1個半を目安に。

「事始め」は周囲を見ながら

メニューに目を通す、ナプキンをヒザの上に置く……などは、自分のタイミングで行うのではなく、周囲を見ながら倣うこと。プロトコールでは序列に配慮するため、社会的上位者、年長者を見て、彼ら彼女らのタイミングに合わせるといい。

食事中は……

飲めなくても乾杯は全員で

アルコールが苦手な人も、最初からノンアルコールのドリンクを頼むのではなく、乾杯のグラスは全員と同じものを掲げるのがルール。その後、ワインを注がれそうになったら、グラスにフタをするように軽く手を添え、「結構です」と断るとスムーズ。

食事中は音を立てない

食事中は極力音を立てないのがマナー。特にスープをすする音は気になるもの。スプーンを自分のほうに近づけ、口の中に静かに流し込むようにするとエレガント。最後は皿を奥に傾け、手前から奥にすくう。

左からカットし、ひと口で食べる

魚も肉も、すべて左からカットする。大きさはひと口大にし、カットした分は歯でかみ切ったりせず、ひと口で食べ切る。食べ物を頬張ったまま話すのは厳禁。残してしまったら、フォークで皿の右奥に寄せておく。

つねにナイフの刃は自分側に

「食事中」はナイフとフォークをハの字に、「食事終了」はフォークの背を下にして、ナイフとそろえて置くのがサインに。ナイフの刃はくれぐれも自分側に向けること。相手に向けるとトラブルのもとに。

料理を褒めるより、時間に礼を言う

会食のお礼は「ごちそうさま。おいしかったです」よりも「楽しい時間をありがとうございました」が正解。前者は、食事以外は楽しめなかったのかと思われる。後者にして、演出や会話、出会いなどに触れながら感謝の思いを表情豊かに伝えたい。