デジタルツールが使えない管理職はいらない
日本企業の上層部は、企業ガバナンスや過去のマネジメントについては非常に詳しい傾向があります。けれど、残念ながらデジタルツールについてはアレルギー反応を示す人が多いようです。これまでは部下が横について、部長の代わりに操作をしてあげていました。でも、テレワークになったら、その部下はもう隣にいないわけです。誰かにいちいち案内してもらわなければ、オンライン会議システムにさえ入れない。そんな上司はもう不要ですよね。マネジメント層は早急にデジタルツールの習熟をめざすべき。そして、なるべく早く日本中からデジタルツールが使えない人材を減らしていくべきです。それでも勉強をしないという人は、管理職をやめるしかありません。
いま、ウェブ上でもさまざまな教育プログラムが配信されています。無償で受けられるオンライン講座も山ほどある。ツールを使いこなすぐらいのことは、いくら年配の人でもできないはずがありません。もしどうしてもわからないことがあるなら、部下に頭を下げて教えてもらえばいいんです。
学び、スキルアップの目的は何か
日本は諸外国に比べて、生涯教育、リカレント教育の遅れが指摘されています。デジタルトランスフォーメーション(DX)、マネーや投資、そして自身の専門性を高める学び。今、気づいて始めた人と、無為に過ごした人とでは、数年後に大きな差ができることは明らかです。
新型コロナウイルスがもたらした混乱は非常に大きい。でも、今回の問題は絶対に解決できる種類のものです。私はこれからの世界に、大きな希望を持っています。これからは、「社会のために自分の価値を発揮する」という働き方が主流になるでしょう。競争ではなく、「共創」の社会になっていく。誰かに勝つために能力開発をするのではなく、大きく変化していく社会に対して自分の価値を発揮し続けるために、自分の能力を開発していく。そういう発想が必要です。
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1982年生まれ、静岡県出身。新しい働き方を追い求め、学生起業、家業の清算、会社員としての管理職、パラレルワーク、社内起業を経験する。学生時代に複数の事業を立案し学生起業家となり、パラレルワークを実現。21歳のときに、地元の進学塾を経営していた父親が意識不明となり、10年間に渡って、父親の介護を余儀なくされる。父親が経営していた企業は継続不可能となり、自身の手で会社の清算をすることとなる。その経験から企業経営には「金」以上に「人の経験・知見」が必要であるという考えにたどり着いた。2014年株式会社サーキュレーションを設立。プロフェッショナル人材の経験とスキルを複数社で活かすプラットフォーム(プロシェアリング)を運営している。2020年現在、経営プロフェッショナルのネットワークは1万3000人、導入企業は1500社を超える。