デキる上司が実践している「オンラインOJT」

営業部門を率いるマネージャーにも、新しい営業スタイルに積極的な人とそうでない人がいます。デキる上司は、この変化をチャンスにすべく、リモートならではのマネジメント方法を開拓しています。

例えば、移動の不要なオンライン商談が増えたことで、上司が部下の商談に同席できる機会が増えました。

通常の対面営業であれば、同行した上司は顧客に直接話をすることでクロージングの後押しをしたり、担当者のトークや振る舞いなどについて商談後にフィードバックをしてくれたりするでしょう。

オンライン商談でも同じことができます。デキる上司は、お客様から見えないところで、リアルタイムで指示やアドバイスもできるのです。私が実際に、教えてもらった「オンラインOJT」を紹介します。

「太田さん、今の投げかけいいよ!」とか、「これ、お客様に聞きそびれているから確認して!」といったメッセージを、上司と部下との間のチャットでバンバン飛ばすわけです。そうすると、担当者にとっても、「あの投げかけ褒めてもらえた」と嬉しくなります。さらに「上司のおかげで、お客様にあの質問ができた」と、クロージングの勝率も跳ね上がります。

チームの一体感を出せる上司はテレワークで何をしているか

商談の場以外でも、リモートでのマネジメントをうまくできている上司とそうでない上司の差が出てきています。

テレワークになったことで、多くの上司は、「あそこの商談どうなってる?」といったちょっとした立ち話から部下の状況を把握できずに困っています。メンバー同士も、オフィスにいれば自然に始まっていた雑談の機会がなくなり、つながりが希薄になりがちです。そのままにしておくとチームや会社への所属意識が低下し、業績にも影響が出てくるでしょう。

このような事態を回避するには、リモートでも常に話がしやすい環境を作ることが有効です。例えばビデオ会議をつなぎっぱなしにし、「ちょっといいですか」といった声掛けがしやすい状態にする上司がいます(監視しているようにならないよう、普段はビデオや音声をオフにしておくと良いでしょう)。雑談専用のチャットルームを作っておき、オフィスにいるときのようにチーム内で他愛のない話ができるようにしている、という話もよく聞きます。

さらにできる上司は、オンライン商談のノウハウを集めた事例集を作成し、チームで共有、ロールプレーしています。慣れないオンライン商談そのものになれない部員は多いので、これも現場でとても助かる秘策です。

チームとしての一体感や「一緒にがんばろう!」という熱意を共有していくためには、メンバー同士の相互理解も重要です。リモートではお互いの人となりを知ることが難しく感じますが、在宅勤務をしているからこそ、画面越しにプライベートな側面が垣間見えることもあります。

これまでは上司や同僚が仕事以外のことをつっこんで聞くのはあまり推奨されませんでしたが、コロナ禍で働き方も生き方も大きな転換点を迎えているこのタイミングです。あえてプライベートのことや生き方について開示し合うのも、互いの距離を縮め、チームの一体感を強める良い方法だと思います。