なぜ植物はガンにならないのか
草花や野菜など、植物はなぜガンにならないのか? 不思議に思ったことはありませんか?
自然界の植物は強い紫外線にさらされ、かびや病原菌や害虫の攻撃も受けているのに、自ら動いて逃げたり防衛したりできないのです。
そのため体の中に、自分で自分の身を守るしくみを整えたと考えられます。ファイトケミカルです。
直訳すると植物性化学物質であり、細胞の中に含まれる成分であり、植物の色や香り、辛み、苦みなどのもととなる機能性成分です。
トマトのリコペン、ホウレンソウ・コマツナのルテイン、タマネギのケルセチン、お茶のカテキン、ニンジン・カボチャのベータカロテンなど、私達がよく食べるおなじみの野菜に多く含まれています。
ファイトケミカルは、強い抗酸化力を持ち、ウイルスの侵入などで発生した活性酸素を中和・除去してくれるのです。
これほど頼りになるファイトケミカルですが、残念ながらヒトの体内で作ることはできません。植物由来の成分であり、私達は野菜・果物を食べることでしか摂取できないのです。
①私達の身体を作りエネルギーのもととなるタンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素
②体調を良くしバランスを保つビタミン・ミネラル群
③腸内環境を整える食物繊維
に加え、ファイトケミカルの役割を是非知っていただきたいのです。
活性酸素を中和・除去し炎症を抑える、免疫力を向上させる、私達の健康を守る隠れた救世主なのです。ウイルス等感染症・ガン・生活習慣病の元凶である活性酸素を除去してくれるファイトケミカルですが、さらに調べていくうちに、その調理法も大切であることに気づきました。
野菜スープで効果は100倍に
ファイトケミカルの成分は、加熱することによって人体にずっと吸収されやすくなるのです。吸収率、抗酸化力は実験では最大100倍にも強くなることが分かっています。そしてベストな料理法はスープであることも確信できました。
新型コロナウイルス感染の予防・防衛のために「野菜スープ」が大いに助けになる、という提言を覚えておいてください。
ファイトケミカルには、人体にとってもう一つ優れた特性があります。血管を拡張し、血流を良くする働きです。
血管内の内皮細胞から一酸化窒素(NO)が放出されます。この一酸化窒素が血管の筋肉をゆるめ、拡げ、血流を増やしてくれるのです。
しかし、ここでも活性酸素が邪魔をします。NOを攻撃、酸化させてしまうので、血管は狭くなり、血圧も上昇、体のすみずみにまで血液等がいきわたらず、体調を乱すもととなります。
ファイトケミカルは、血の巡りを良くしてくれるのです。毎日の野菜スープは、循環器系の不調にも有効な生活習慣なのです。