「野菜は身体に良い。」誰もがこの認識は持っていますよね。野菜はなぜ身体に良いのか?どんな効果があるのか? コロナウイルスが猛威をふるい、健康意識が高まる今、野菜がヒトの身体にもたらしてくれる効果と調理法を、ノーベル賞候補の世界的権威である前田浩さんが教えてくれます。

※本稿は前田浩『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

食べる女性のスープ
※写真はイメージです(写真=iStock.com/paylessimages)

炎症のメカニズムを研究して気づいた野菜の力

私の専門は細菌学、微生物学、ウイルス学です。「微生物感染の分子病理学」「炎症のメカニズム」の研究を、日米両国で長年にわたって行ってきました。

この「炎症のメカニズム」を研究しているときに、活性酸素の生成メカニズムを明らかにすることに成功しましたが、研究の過程で、活性酸素が遺伝子の変異や細胞障害、細胞死まで引き起こしていることが分かったのです。そして変異した細胞が、ガン細胞の発生につながっていたのです。

そこで、活性酸素を中和することが、変異細胞を、ひいてはガン化細胞を作らないこと、つまり、ガンの予防になると確信したのです。ではどうやって中和すればよいのか、それには活性酸素を中和する食品成分を探し出し、効果的に体内に摂取すれば良いのではないか、と考えました。

そして抗活性酸素力のある成分を含む、野菜に注目したのです。私は今回の新型コロナウイルス予防に対しても、野菜に含まれる成分の効果的な摂取が、ガンや他の病気と同じく、極めて有効であると考えています。