次にレシートの読み取り自動入力。スマートフォンでレシートを撮影するだけで、読み取って記録する機能があります。マネーフォワードME、マネーツリー、Zaimなどが対応(マネーツリー以外は無料)。また、ドクターウォレットは読み取った内容をオペレーターが手入力するため、読み取りの精度が高く、手書きの領収書でも撮影すればOKです(月100枚まで無料、細目の分類は有料)。
そしてグラフ化。家計簿で大切なのは、つけただけで満足せず、期間を区切って収支を時系列で比較し、ライフプランに生かすこと。前出の4つのアプリでは、無料のグラフ化機能があり、数字の羅列で見るより感覚的にも把握しやすく、支出を抑える意識が働きやすくなるでしょう。
マネーフォワードMEとZaimには自分と似たプロフィールの人の平均値と比較できる機能もあります(比較機能は、マネーフォワードMEは有料、Zaimは無料)。
無料で予算管理もできます。食費、交際費などカテゴリーごとに予算を設定すれば、画面を開くと毎回、予算に対していくら使ったかが表示されます。マネーツリーは、予算の80%を使った時点で通知が届く設定もできます(有料)。
シンプルな現金の出入りから、本格的な資産管理まで
有料会員向けですが、Zaimには医療費控除データを自動作成する機能や、マネーツリーではクレジットカードなどの明細を個人支出と会社の経費に自動分類し、経費明細としてダウンロードできる機能もあります。
便利な機能の多い家計簿アプリですが、課題や注意点もあります。
マネーフォワードMEは提携機関数や機能も多く、家族のお金もまとめて管理でき、本格的な資産管理向きですが、機能が複雑すぎ、インターフェースが使いづらいと感じる人もいるようです。シンプルな現金の出入りなら、見やすいマネーツリー、Zaim、ドクターウォレットでも十分です。
そして、個人情報は暗号化されたうえで、蓄積され、ビッグデータとして使われることが前提であることを心に留めておきましょう。アプリに登録する金融機関のIDとパスワードは入出金記録を見るためで、お金を動かすパスワードではないものの、作業を中断するときは必ずログアウトするという最低限のセキュリティー意識を持つことも大切です。また、無料会員の場合は、今使えている機能がずっと無料のまま使えるという保証はないので、注意が必要です。
まずは1カ月間試して、お金の流れを「見える化」、把握することから始めてみてください。
構成=奥田由意
1968年生まれ。三重大学卒業後、大手コンサルティング系会計事務所などを経て、FPとして独立。FPQ代表。TV出演、セミナー講演等多数。