進化する家計簿アプリ。住宅ローン残高も管理!

消費税増税から約半年、家計の見直しを考えている人もいるでしょう。家計の見直しには家計簿をつけて、お金の使い方を「見える化」するのがおすすめです。家計簿は面倒という人も大丈夫。近年、スマートフォンの家計簿アプリは大きな進歩を遂げています。入出金の自動記録やレシートの読み取り自動入力など、楽に家計管理できる機能がついているのです。

オンラインショッピングと電子決済
※写真はイメージです(写真=iStock.com/cyano66)

それでは進化した機能を見ていきましょう。まずは無料でできる口座との連携。各金融機関の口座やサービスのIDとパスワードを登録すれば、銀行や証券口座の入出金、交通系やPayPayなどの電子マネー、クレジットカード、アマゾンや楽天など通販サイトの利用記録を自動でアプリが取り込みます。楽天ポイントやTポイントなど各社のポイントやマイルも管理できます。たとえば、マネーフォワードMEでは住宅ローンの残高、確定拠出年金など年金関連の残高、国民年金、厚生年金などの支払額までカバーしています。

次にレシートの読み取り自動入力。スマートフォンでレシートを撮影するだけで、読み取って記録する機能があります。マネーフォワードME、マネーツリー、Zaimなどが対応(マネーツリー以外は無料)。また、ドクターウォレットは読み取った内容をオペレーターが手入力するため、読み取りの精度が高く、手書きの領収書でも撮影すればOKです(月100枚まで無料、細目の分類は有料)。

働く女性におすすめの家計簿アプリ

そしてグラフ化。家計簿で大切なのは、つけただけで満足せず、期間を区切って収支を時系列で比較し、ライフプランに生かすこと。前出の4つのアプリでは、無料のグラフ化機能があり、数字の羅列で見るより感覚的にも把握しやすく、支出を抑える意識が働きやすくなるでしょう。

マネーフォワードMEとZaimには自分と似たプロフィールの人の平均値と比較できる機能もあります(比較機能は、マネーフォワードMEは有料、Zaimは無料)。

無料で予算管理もできます。食費、交際費などカテゴリーごとに予算を設定すれば、画面を開くと毎回、予算に対していくら使ったかが表示されます。マネーツリーは、予算の80%を使った時点で通知が届く設定もできます(有料)。

シンプルな現金の出入りから、本格的な資産管理まで

有料会員向けですが、Zaimには医療費控除データを自動作成する機能や、マネーツリーではクレジットカードなどの明細を個人支出と会社の経費に自動分類し、経費明細としてダウンロードできる機能もあります。

便利な機能の多い家計簿アプリですが、課題や注意点もあります。

マネーフォワードMEは提携機関数や機能も多く、家族のお金もまとめて管理でき、本格的な資産管理向きですが、機能が複雑すぎ、インターフェースが使いづらいと感じる人もいるようです。シンプルな現金の出入りなら、見やすいマネーツリー、Zaim、ドクターウォレットでも十分です。

そして、個人情報は暗号化されたうえで、蓄積され、ビッグデータとして使われることが前提であることを心に留めておきましょう。アプリに登録する金融機関のIDとパスワードは入出金記録を見るためで、お金を動かすパスワードではないものの、作業を中断するときは必ずログアウトするという最低限のセキュリティー意識を持つことも大切です。また、無料会員の場合は、今使えている機能がずっと無料のまま使えるという保証はないので、注意が必要です。

まずは1カ月間試して、お金の流れを「見える化」、把握することから始めてみてください。