Zoom会議を渋る上司はどう誘うべきか

——初心者を卒業しようと思ったら、まずはホストを経験してみることが大事ですね。さらに慣れてきた時に向けて「通なワザ」も教えてください。

【大竹】Zoomには「ホワイトボード」とコメントを付けるというメニューがあります。リアル会議で使う白板と同じように、テキストや図などを書き込むことができる機能ですね。画面共有の際にコメントを付ける機能を使って図などの一部分を矢印で指し示すこともできるので、「ココはどういうことですか?」と聞きたい時も伝わりやすいですよ。

【芹澤】使い方に慣れてきたら、次はマイクやカメラ選びにも気を配ってみてほしいですね。Zoomはデバイスが1人1台なら快適なのですが、一方は1人、もう一方は複数人でデバイス1台となると途端にやりにくくなります。全員の顔が見えない、誰がしゃべっているのかわからないなど、1人側のほうはものすごいストレスなんですよ(笑)。

このストレスを減らすため、当社では複数人が一度に映る高性能カメラと高音質のマイクスピーカーをセットにした「WEB会議サポートセット」の貸し出しなども行っています。これらを使うとストレスが激減します。

——会議がより快適になりそうですね。最後に、Zoom会議は柔軟な働き方を広める上でも効果的だと思うのですが、デジタルデバイスに抵抗感のある上司に積極的に使ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。

【大竹】いきなり「Zoom会議しましょう」と言うと身構えてしまうかもしれないので、Zoom飲み会のノリで歓迎会などを開いて「部長も顔を出してください」と誘ってみてはどうでしょうか。それなら敷居も低いですし、うまく使えなくてミスがあっても、和やかな雰囲気でサポートしてあげられますよね。

【芹澤】最初は職場からZoom会議をして、誰か慣れている人がそばにいる状態で実施するのもいいと思います。画面を見て話してもらえば便利さがわかると思うので、興味を持ったら次は1人でも参加できるようにPCの設定を手伝ってあげては。そのためにも、自分自身もある程度のスキルは身につけておきたいですね。

【大竹】Zoom会議は「慣れ」だと思います。今回お話ししたこと以外にもさまざまな機能があるので、慣れさえすれば皆でもっと便利に使えるはず。世代に関わらず、誰もが当たり前のように使いこなせる日が来るのも、そう遠くはないと思います。

構成=辻村 洋子 写真=iStock.com

大竹 啓裕(おおたけ・たかひろ)
ハッチ・ワーク 代表取締役会長兼CEO

芹澤 健(せりざわ・たけし)
ハッチ・ワーク 広報室室長