ポストコロナを生き抜く「内観」と「学び直し」を

もともと新型コロナの前から、働き方はゆるやかに変化していました。リモートワークが推進され、時間給ではなく成果に対して報酬をもらうフリーランスのような働き方に注目が集まっていた。新型コロナは、こうした動きを一気に後押しするような働きをすると思います。

これからはますます、自分はどんな生き方をしたいのか、どんな働き方をしたいのか、何ができるのかが問われる時代になります。ですから、家にいる時間が増えた今をいい機会ととらえて、自分の心の内をじっくりとらえなおす「内観」と、「学び直し」に使うとよいと思います。

情報に振り回されないで「自分のやりたかったことは何なのか」を自分に問い直す。人生100年時代ですから、残り50年をどう過ごしたいか、どんな働き方をしたいのか、じっくり考えるといいと思います。

そして、自分を育てる時間として有効に使うわけです。これを読んでいるみなさんはおそらく、大学を卒業してから20年ちかく、あるいはそれ以上経っていると思います。ここであらためて自分に必要なスキル、身に着けたい知識やアップデートしたい分野を洗い出し、学び直すのです。英語やファイナンス、プログラミングなど、最近はWebで学べることがたくさんあります。好きだった小説を読み込んだり、映画をたくさん見たり、興味のある資格を取ってみるのもよいでしょう。

今まで、仕事や家事で時間を奪われていた分、今、少し立ち止まって内観して学びなおす。そうすれば、新型コロナが収束し、働き方が変化した社会の中でも、自信をもって生きていくための拠り所ができるのではないかと思います。

構成=大井明子 写真=iStock.com

米田 智彦(よねだ・ともひこ)
FINDERS 編集長

1973年、福岡市出身。出版社、ITベンチャー勤務を経て、文筆家・編集者・ディレクターとして出版からウェブ、企業のキャンペーン、プロダクト開発、イベント開催、テレビ、ラジオへの出演と多方面で活躍。2011年の約1年間、旅するように暮らす生活実験「ノマド・トーキョー」を敢行。ウェブメディア「ライフハッカー[日本版]」の編集長を経て現職。著書に『僕らの時代のライフデザイン』(ダイヤモンド社)、『デジタルデトックスのすすめ』(PHP研究所)、『いきたい場所で生きる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)等がある。