ネガティブレビュアーはどんな人か

第2に気をつけたいのが、レビューの評価基準が、自分の評価基準と違うことも多いということだ。レビュースコアは商品やサービスの良し悪しより、個人の好みとのフィットの問題であることが大半である。

たとえば私の書籍は常に、アマゾンレビューで1と5、つまり最低と最高が多い。私は興味がわいて、購入履歴がないのに私の本を酷評している人々が、他にどのようなものを勧めているか見てみた。すると案の定、某人気作家による「ウィキペディアコピペ本」などを熱心に信奉されているではないか。

特にネガティブレビューに関しては、中には納得できるものもあるが、購入履歴もない人が本の内容にまったく関係ないことを書いて批判していることも多い。単にその人の評価基準が「自分の思想信条に合うかどうか」になってしまっているのだ。

他にもよく疑問に感じるのが、大学ランキングだ。私の元にも毎年のようにさまざまな媒体からMBAランキングの投票などの依頼が寄せられるが、その評価指標が必ずしも学生の目的や目指すリターンとかみ合っていないことも多い。

同じ問題は、よくある「働きやすい会社ランキング」などにも散見される。しかしいくら他の大勢が高く評価、ないし低く評価していても、それらの評価がどのような基準と意図で書かれているのかを、読み解くことが重要なのである。

いつの時代も“批判”は目立つもの

第3に覚えておきたいのが、少数の怒れる批判のほうが目立つが、静かな支持者のほうが圧倒的に多いことも大いにあるということだ。

私のコラムはおかげさまで、よく何百万PVを記録し、コメントも何千と集まっていたのだが、そこで発見したのが「30対1の法則」である。