写真撮影のポイントは日光とアップ度
【原田】「わざわざ来たんだから載せておこう」じゃなくて、フォロワーに喜ばれるかどうかが最優先なんですね。基準がはっきりしているから判断も早いんでしょうね。では、料理が来たので、次は写真を撮るところを見せてもらえますか? カメラじゃなくてスマホで撮るんですね。
【りょうくん】撮影はできるだけ目立たずに、サッサと終わらせたいんです。カメラだとどうしても目立っちゃうので、いつもスマホで「Foodie(フーディー)」というアプリを使って撮っています。シャッター音が鳴らないので、お店にも迷惑がかからないかなと。
【原田】フーディーはラインが作ったアプリですね。たくさんの若者が使っていて、そこも若者目線なんですね。確かに高級なカメラで凄過ぎる写真で高い料理を撮っても若者たちからは「手が届かない」と判断されてしまいますもんね。特にジェネレーションZは「憧れより共感」ですから、より重要なポイントですね。
ジェネレーションZが撮影で重視する「高映え」とは
【原田】バズる写真を撮るコツって皆知りたいと思うんですが、りょうくんと同じアプリを使ったとして、撮り方では何を意識すればいいでしょうか。
【りょうくん】僕は日光が一番大事かなと思っています。「りょうくんグルメ」にランチが多いのも、自然光でいい感じに撮れるからなんですよ。後は食べ物をアップで撮ることも大事で、僕の場合は「チーズナンならアップ度はこのぐらい」って大体決めています。これまでの投稿で、フォロワーの反応がいいアップ度がわかっているので。あと、チーズナンの場合は平べったく写真のインパクトが足りないので、持ち上げるとかして縦の動きを出したほうがいいと思います。
【原田】ジェネレーションZの写真撮影のトレンド「高さ映え」を意識しているんですね。「高さ映え」というのは僕の造語なんですが、食べ物の高さを出すことによってインスタ映えを実現する、という撮影手法のことです。
日光を逃したら再び食べに行くことも
【りょうくん】今日はちょっと日光が入りにくいですが、普段通り撮影してみますね。このチーズナンだったら、まずハチミツをかけます。それから全体を撮って、一切れ持ち上げてチーズが伸び始めたところ、最大限まで伸びたところ、と順に撮っていきます。Twitterの場合写真は4枚までですが、インスタは10枚なので、料理のほかに店内の風景も撮ります。チーズがものすごく伸びるようだったら、動画を撮ることもありますね。
【原田】思った以上に丁寧に撮っていくんですね。そしてこの後実際に食べるわけですが、すごくおいしかったら載せますか? 冒頭では「載せない」と言っていましたが。
【りょうくん】今食べてみたら、ここはチーズにコショウが入っていてほかの店と違いますね。すごくおいしいです。ただ、見た目よりチーズが少ないかな……やっぱり載せないと思います(笑)。たまに、載せたいけど日光が入る時間を逃していい写真が撮れなかったっていうこともあるんですよ。そんな時は、もう一度撮影するために同じメニューを食べに行きますね。