周囲の評価が気にならなくなる2つの理論

このように評価を気にしすぎて、自分を出せない人がいます。「嫌われるのが怖い」というのは人が持つポピュラーな気持ちですが、残念ながらこの世に全員に好かれる魔法はありません。であれば、こうしてみるのはどうでしょう。

きい『しんどい心にさようなら 生きやすくなる55の考え方』(KADOKAWA)
きい『しんどい心にさようなら 生きやすくなる55の考え方』(KADOKAWA)

低い評価が怖いという弱さを認めながら、理屈で恐怖に打ち勝ってやってみる。

これは私の経験なのですが、低評価を考えすぎず「何を言っても大丈夫」と思い切って行動するようになってから、人の理解や共感も得られるようになりました。

評価を気にする恐怖から心を守れるようになった理論を二つ紹介します。一つは心理学やビジネスのジャンルで有名な「2:7:1」の法則。自分のことを「何をしても好き:スルーしてくれる:何をしても嫌い」な人の割合が、自然と2割・7割・1割になるというのです。もう一つは、テレビ番組の視聴者評には不満が3割入っていた方がいいということ。不満が何もない=話題性がないと考えられるそうです。

恐怖で「しよう」「したい」を封じない。偏りすぎた精神のバランスは、〈気持ちを肯定〉+〈理屈〉で整えましょう。

写真=iStock.com

きい(きい)
心理カウンセラー

武蔵野美術大学を卒業。統合失調症、適応障害の経験から認知療法やアドラー心理学などを独自に学び、抑うつ状態を改善。インスタグラムで発信する心理学の考え方や、役に立つ知識が好評を博している。