勉強とは魔法使いになること

もうひとつ、こういう話を聞いたことがあります。「勉強とは魔法使いになること」であると。どういうことか。

たとえばいま40代以上の人が小学生時代にタイムスリップし、友達にスマートフォンを見せたら、皆おったまげるはずです。

昔は、家にはまだダイヤル式の黒い固定電話。大型のラジカセに、カセットテープを入れて好きな音楽を録音して聞いていた。

なのに、スマホの小さなデバイスにすべてが入っていて、ネットもつながるしテキストでチャットもできるし銀行振り込みも株の売買もできる。写真も撮れてその場で見られるし加工もできる、動画を観たり作曲することもできる。

そして友達はこういうでしょう。

「なにそれ魔法の道具じゃん!!」

そしてそのスマホを作ったのはエンジニアやプログラマで、学生時代に勉強してきたからこそ、さらにその上に高度な理論を習得でき、そうした製品の開発につながっているわけです。

勉強をサボっていては、精密機械の実装技術やプログラミング言語などは理解できないでしょう。

それはたとえば、いきなり代数幾何を勉強しても、基礎がなければまったくわからないようなもの。マラソンだって日々の練習という積み重ねがないと走れない。つまり今やっている勉強は、将来魔法使いになれる力をつけているということであると。

……という感じで、私ももし自分の子どもが「勉強したって役に立たないだろ」などと言ってきたら、このように諭そうと思っています。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士

1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。