数百から1000票が当選ラインのところも

現在、都道府県議会と市町村議会を合わせて、議員は全国に3万人以上いますが、地方議会は高齢化が進んでいて明らかに候補者が足りず、当選しやすい状況にあります。無投票という議会もあります。

国政選挙の小選挙区制だと、何人も候補者がいる中でトップにならないと当選しませんが、地方議会だと、例えば定数が15ならば15番目以内に入れば当選できます。また、自治体にもよりますが、少ないところだと数百票から1000票くらいが当選ラインです。うまくターゲットを定め、今まで政治に関心がなかった層を開拓すれば、それほど難しい数ではありません。

それに、地方では無所属で出馬する人も多いので、さらに立候補のハードルは低くなります。志を同じくするサポーターのネットワークに支えられて自由に活動ができます。給料も、一般的な女性の職業と比べて決して悪い方ではありません。若い人や女性が少ないのが不思議に思えます。

女性公務員が人材プールに

全国で一番、公務員の女性管理職比率が高い都道府県は鳥取県の20.3%、次いで東京都が16.8%です(2019年4月1日現在)。知事や市町村長などの首長が男女共同参画に積極的だと、間接的にではありますが、地方議会の女性議員を増やすうえでプラスになります。行政の中で女性が活躍するようになれば、次第に候補者になる力を持った女性が育つからです。

国会議員も、官僚出身の人はかなりいます。政治に携わった経験が全くない、政策についてまったくわからない人よりも、行政に関わった経験がある方が、議員として政治に関わるときのハードルは低くなります。地方議会でも同じです。県庁や市役所、町村役場での女性管理職が増えれば、女性リーダーとして立候補する人材のプールが大きくなります。女性の登用を推進する首長の役割は大きいのです。