「専業主婦より共働き主婦の方が産んでいる」という事実
次に、子どもがいるご家庭にしぼって、専業主婦世帯と共働き世帯それぞれ子どもの数を見てみましょう。
これも意外、と思う人が非常に多いデータの1つですが、専業主婦世帯で最も多いのは一人っ子家庭で、半数の2世帯に1世帯を占めています。一方、共働き世帯では2人きょうだい家庭が最も多くなります。また、子ども3人以上の多子世帯も共働き世帯の方が高い割合となります。
つまり、以上の2データを総合して判断すると、専業主婦よりも共働き女性の方が子どもを多く持つ、という結論になります。
伝統的大企業では未だ専業主婦世帯が多いが……
上のようなデータを見ると「どうしてなんですか!?」とまるで専業主婦の方が子をもつには適しているはずなのに、といったご質問が出ます。特にエリートと呼ばれるような大企業の管理職の方たちからは驚きの声があがります。
研究所の実態調査では、伝統的大企業ではいまだに専業主婦世帯が多数派を占める企業が多いこともあり、これらの質問は「サンプル僕・私の会社」「サンプル自分の周囲では」を根拠として一般論を語る人が多いことから出てくる質問ではないかと思われます。
確かに、長時間労働体制や全国転勤制度を当然とするような企業では、外で働く夫のために家のことのほとんどを引き受ける専業主婦による家庭形成は、社員の現行労働体制存続・維持の大前提とさえなっています。しかし、日本の夫婦のあり方としては、もはや専業主婦世帯はマイノリティとなっていることが次のデータからはわかります。