誰でもできる「YouTube自己アピール」

これからの時代、積極的に動画を利用するべきです。以前、TwitterやFacebookなどのSNSを使った転職活動についてお話ししたことがありますが、YouTubeなどを活用して自己アピールをするというのは一つの手です。

単に志望動機や自己アピールを述べる様子を撮影して、#転職希望 #自己アピールなどのハッシュタグをつけたツイートに動画を貼り付けるだけでも、十分にインパクトがあると思います。人は感情を動かされるとその内容と感情を脳に記憶する性質も持っているので、動画で目を引き付けることができれば間違いなく採用者側に強い印象を残すことができます。

動画編集能力は価値が高い

転職活動に動画を取り入れるのは、確かにチャレンジではあるかもしれません。転職を希望していることが現在の会社に知られるとまずいという人がほとんどでしょうから、動画やSNSの利用を躊躇ちゅうちょしてしまうのではないかと思います。でも、発信する動画は転職にまつわることでなくても良いのです。内容は今の仕事のことでも趣味のことでも何でもOK。

SNSに何かを投稿する際は、積極的に動画を張り付けるようにしましょう。あなたが動画に興味を持っていることや動画編集スキルがあること、SNSのリテラシーが高いことを見た人にさりげなく伝えることができるからです。

今やどこの企業も効果的なマーケティングには動画が欠かせないことを理解しているので、動画に関する知識や技術を持っている人材は今後ニーズが高まっていきます。もしAdobeなどの編集ソフトを使ってYouTubeに投稿できるくらいの動画編集のスキルがあるのなら、その分野での転職を目指すのもいいかもしれません。

直接の転職にはつながらなくても、副業で声がかかることも大いにあると思います。特にIT系の企業やベンチャー企業などは、動画に馴染なじみがあり、動画編集に興味を持っている人材を求めているので、自分のSNSがそういった企業の目に留まればいろいろな可能性が広がっていくでしょう。

面接対策にもなる

また、動画を撮ること自体、面接対策としても効果的です。面接のシーンを想定して、自己PRや志望動機を話すところを自分で撮影してみましょう。動画にすることで自分を客観的に見ることができるので、思わぬ癖や改善点が見つかるかもしれません。

スマホを壁などに簡単に取り付けたり、遠隔操作したりできるグッズもたくさん出回っています。それらを準備すれば、すぐにでも動画撮影を始めることができますよ。

写真=iStock.com

高野 秀敏(たかの・ひでとし)
キープレイヤーズ代表取締役

新卒でインテリジェンスへ入社。その後、2005年にキープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして55社以上のアドバイザー・社外役員・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。3000名以上の経営者の相談と、1万名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。