ホッピービバレッジ 代表取締役社長 石渡美奈さん 1968年生まれ。立教大学卒業後、日清製粉(現・日清製粉グループ本社)に入社。退社後、広告代理店に勤務し、97年ホッピービバレッジに入社。広報宣伝、副社長を経て2010年に3代目社長に就任。(撮影=徳山喜行)
近年、オーナー企業の後継者に女性が選ばれるケースが増えています。そこでプレジデントウーマンでは、跡取り娘としてホッピービバレッジを引き継いだ石渡美奈社長による講演会を開催。古参幹部にどう接するべきか、外部人脈の引き継ぎ方や築き方は──。女性後継者のための事業承継のヒントが満載です。
撮影=徳山喜行

悩んだからこそ見えてきた事業承継「7つの肝」

女性後継者たちはどんなことに悩み、どんな壁を乗り越えてきたのでしょうか。先輩の話を聞き、同じ立場の女性と交流する機会をつくることで、課題解決の力になれたら──。

プレジデントウーマンでは、そんな思いから11月9日に女性後継者・経営者のためのイベントを開催しました。当日は、すでに経営者の立場にある人、これから事業を継ぐ予定の人など約40名が参加。遠方から駆けつけた参加者も多く、このテーマへの関心の高さがうかがえました。

最初に木下明子編集長から挨拶があり、続いて石渡社長による講演がスタート。ホッピービバレッジの3代目として、見事に事業を成長させてきた石渡社長ですが、就任直後はさまざまな問題に悩まされたと言います。

撮影=徳山喜行

「同族企業ならではの事象や古参幹部からの反発など、多くの壁を乗り越え、今も沢山の課題に取り組んでいます。私自身、まだ成長途中ではありますが、今日はこれまでの体験から得た“事業承継の肝”を皆さんにお伝えしたいと思います」

そう言って伝授してくれたのは、次の7つの「肝」でした。

7つの「肝」

①経営者としての覚悟を持つ
②何事も実践して初めてわかる
③承継前の経験がものをいう
④古参幹部と無理にうまくやろうとしない
⑤自分なりの主戦略を持つ
⑥仲間をつくる
⑦事業承継に終わりはない