需要が落ち込んでいるうえに選手村が売り出される

「価格高騰の理由は、土地の仕入れ価格や人件費、資材費が上がっているからです。価格が上がった分、さらに需要は落ち込んでいる状態です」

その上、オリンピック・パラリンピックで利用された選手村の建物が改築されて販売されれば、供給過剰に拍車がかかる可能性がある。

選手村は都営大江戸線の勝どき橋が最寄り駅で「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」の名称で販売される。入居は23年3月から始まる予定だが、8月にはすでに約4000戸のうち600戸がすでに売り出されている。

14階建ての建物の最上階にある1億円超の物件が人気を集めたというが、本格的な販売がはじまったときにどうなるか気になるところ。

日米の政権交代にも注意したほうがいいという。米国では11月に大統領選が予定されており、トランプ現大統領が再選を果たすか、民主党が4年ぶりに政権を奪還するのか注目されている。

「大勢はトランプ大統領の再選を予測していますが、民主党の候補が当選するようなことがあれば、経済にとってはマイナスです」

日本でも桜を見る会の問題が深刻化しており、衆議院の解散があるのではないかと噂されている。

お金持ちは資産を売却して現金化している

20年には明るいトピックスが乏しいが、実はお金持ちはこれをチャンスととらえている。

「すでに株式などは売却して現金を増やし、暴落が起きたら買おうと待ち構えています」

日本には先祖代々土地を受け継いできたオールドリッチ層がいる一方で、自ら1億円を超える資産を築いたニューリッチ層が続々登場している。ニューリッチ層はバブルにうまく乗って資産を増やしたのではなく、世界的経済危機を上手に活用しているという。リーマンショックでも多くの人が投げ売りしているのをチャンスととらえ、安くなった資産を買い集め、その後に上昇したところでいち早く売却して利益を確保する。

いままさに売却して利益確定をしている時期だという。

「こうしたチャンスは10年に一度程度訪れるものです」と藤川さんは指摘する。