19年8月時点で、制約に引っかかった大阪府泉佐野市などの一部自治体に対しては、寄付をしてもふるさと納税の減税が適用されない状況です。返礼品を見直すなどして総務省の審査を通れば、再び減税対象になる見通しですが、寄付する側としては以前ほど豪華な返礼品がもらえなくなるわけで、残念に感じる人もいるはずです。

とはいえ、仮に1万円寄付して、3000円相当の返礼品を受け取るなら、自己負担が2000円分あることを考えても、まだお得。年収が高い人ほど寄付金の上限額は高く、もらえる返礼品の価格も高くなるので、「新制度の導入でふるさと納税は魅力がなくなった」と判断するのは早計でしょう。

多忙な人は食材以外の返礼品にも注目を

そんなふるさと納税ですが、20年に住民税の減額を受けるには、19年の12月末までに寄付する必要があります。ふるさと納税は一年中いつでもできますが、普段はなかなか時間が取れず、年末に思い出して駆け込みで寄付するパターンが多いようです。

駆け込みの寄付だと、希望する返礼品がすでに募集を締め切っていて断念せざるをえなかったり、吟味する時間がないまま、適当に寄付先を決める形になってしまったりと、後悔することになりがち。そのため、できれば早いうちから「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」「さとふる」といったふるさと納税の情報サイトをチェックし、計画的に寄付していきましょう。寄付金の上限額が高い人ならなおさらです。

最初に欲しい返礼品を探し、そこから寄付先を選ぶのがスタンダードですが、返礼品も種類が多いので、迷ってしまいそうですね。一般的には肉や米など食材を選ぶ人が多いですが、ふるさと納税の返礼品は配達日を指定できない場合がほとんど。そのため、忙しい人であれば、消費期限や冷蔵庫に入りきるかどうか、といったことを気にしないで済む返礼品を選ぶと、より気軽にふるさと納税を楽しめそうです(表参照)。

私自身も、返礼品の食材が1度に大量に届き、使いきるのに頭を悩ませた経験があるので、19年は食事券などを選ぶつもりです。タオルを選んで、年末に古いタオルと入れ替えるのもいいかもしれません。また、実家へのお歳暮やお年賀にふるさと納税を活用する、といった手も。いずれにせよ、早めの計画が吉でしょう。

構成=元山夏香 写真=iStock.com

風呂内 亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

企業勤務の際にマンション購入やお金の勉強を始め、その後不動産会社に転職。2013年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、各媒体で活躍中。『コツコツ続けてしっかり増やす!つみたてNISAの教科書』『先生でも学べる「お金」の基本』など著書も多数。