妻が自営業、夫が会社員では?

前述のとおり、分割の対象となるのは厚生年金部分なので、自営業者やフリーランスなどで厚生年金部分がない場合(国民年金のみの場合)は、年金分割はない。

では、妻が自営業、夫が会社員というカップルが離婚すると……?

夫の合意があれば、妻は夫の厚生年金を分割して受け取ることができる。合意が必要だが、交渉は可能、というわけだ。

年金を分割すると、「離婚貧乏」になるかも

離婚すると、元パートナーの年金の半分をもらえると思っている人もいるが、厚生年金部分だけだし、婚姻期間中のみが対象なので、半分もらえるというのは勘違い。金額も思うほど多くはない。実際、どの程度を分割することになるのか、妻が会社員、夫が専業主夫のカップルでみていこう(夫が会社員、妻が専業主婦でも同じ)。

例えば、婚姻期間が15年、その期間の平均標準報酬額が50万円だった場合、婚姻期間分の厚生年金は年間49万3300円。分割で夫に分ける年金は約25万円、月額2万円程度となる。厚生年金の一部だけなので、それほど多くはないのだ。

夫自身の年金(国民年金)が6万5000円とすると、分割で受け取る分を足しても8万5000円万円程度で、老後の生活費としては厳しい。また妻としては年金が25万円減ることになり、影響がある。

年金については、「離婚貧乏」になる可能性が高いといえる。