タックス・ヘイブンの資産は2200兆円!?

ところで皆さんは、「パナマ文書」という言葉を聞いたことがありますか?

パナマ文書とは、パナマの法律事務所で作成された機密文書で、そこには「タックス・ヘイブン」を利用する21万4000社もの株主や役員の情報が記載されていました。

タックス・ヘイブン=カリブ海のバージン諸島やケイマン諸島などに設けられた「租税回避地」。そこに法人を設立すれば、法人税や所得税がゼロまたは低税率になります。そのため、そこには実体のないペーパー会社が無数に法人登記されており、「世界の富裕層の所得隠しの場」として利用されています。各国の税務当局が情報を得ようとしても、企業・個人情報の保護を理由に断られるため、脱税だけでなく、犯罪組織のマネーロンダリングの場にもなってしまっています。

そのパナマ文書が2015年、「ジョン・ドー(“名無しの権兵衛”的な典型的偽名)」を名乗る人物によりマスコミにリークされ、大騒ぎになりました。

そこから出てきた名前は、国家元首に大富豪、ヘッジファンドに世界的映画スターなど目を疑うようなビッグネームばかりで、ある人は本名で、ある人は身内の名で、またある人は第三者から勝手に名前をかたられて登場します。漫画家のいがらしゆみこさんなどは名前をかたられた被害者で、自分の名前がパナマ文書にあると聞かされて「なんじゃらほい!」と困惑されていたそうです。

ちなみに、すべてのタックス・ヘイブンにある未申告の資産合計は2200兆円以上! これは日本のGDP(国内総生産)の4年分以上にもなる額で、放置できない問題になっています。

ガレージに眠っていたウン億円

それでは話を、普通の脱税(?)に戻しましょう。脱税は男女ともにおもしろいものがいろいろあるのですが、ここでは女性のものを見ていきましょう。

2008年、日本で過去最大の相続税脱税事件がありました。大阪に住む64歳と55歳の姉妹が、75億円以上の父親の遺産のうち約60億円を隠し、相続税28億6千万円を脱税したのです。

父の生前から預金を現金化しては自宅ガレージに隠していましたが、2人が逮捕された時、ガレージは1万円札が詰まった段ボールや紙袋でいっぱいで、下のほうの紙幣は湿気でどろどろになっていたそうです。ちなみに姉曰く「うっかり申告し忘れた」んだそうです(ウソつけ!)。