子どもが2人ほしければ、男性も30歳くらいで結婚を
また、【図表1】からは、こんなことも見えてきます。
男性の初婚年齢が30~30.5歳の場合、出生率は1.7あたりに集中しています。ところが31歳になると、出生率は1.5あたりまで減少します。
さきほど、男性側の要望として、「子どもは2人欲しいので、女性は32歳以下がいい」という要望が珍しくないことを紹介しました。【図表1】を見る限り、男性も32歳以下、できれば30歳くらいで結婚というコースを目指さないと、子ども2人を容易に授かることは難ししいことを統計結果が示しています。「32歳以下の女性と結婚したい」などと一方的に「上から」選ぶ立場で言っていられないのです。
男性のほうが年齢を気にすべき
続いて、女性のデータを見てみましょう。【図表2】に相関分析の結果を示しました。
こちらも男性と同じく、マイナスの関係性(「-0.66」という数値)があることがわかりました。ただし、その度合いは男性よりもやや低く、中程度寄りの関係性といえます。このことは一般的には難しいために本では省略していますが、多変量解析という難しい分析を実施すると男性の年齢要因が残るという結果も報告されています。
すなわち、女性よりも男性の初婚年齢のほうが、出生率に大きく影響するという統計結果です。「男性は高齢結婚を考えてのんびりしていても子どもを授かることに問題はない(女性さえ若ければ子どもを授かれるから)」という考え方が、統計的にはまったく当てはまらず、個人の希望や自分の知る数少ない事例で全体を語ろうとすることによって起こりがちな「思い込みの一つ」であることがわかります。
分析結果からは、子どもが欲しいと言うのであれば、むしろ実数ベースでも女性を超えて大きく未婚化が進んでいる男性のほうが、年齢を気にするべき立場であるともいえます。年齢が上昇するほど、男性は未婚者数が女性を大きく超えて増えていきます。子どもが欲しいのであれば、相手の女性だけに若さを求めるのではなく、まずは男性が自身の結婚を早める視点をもつことが必要です。