有望かどうかの判断は不要
グローバルに投資する商品の中でも、日本を除いたポートフォリオの商品がありますが、これはこれで世界全体をカバーしていないことになります。日本経済は停滞が続いているとは言っても世界経済の6%を占める世界第3の経済大国ですから、相応の比率で組み入れておくことも必要だといえましょう。国際分散投資の肝要は、ここが有望そうだとか、こっちはダメそうだ、といった憶測を排除して世界全体の経済軌道に虚心坦懐に乗り込むことにあるのです。
世界全体の滔々と流れる大河のごとき成長軌道にしっかりと時間を味方につけてお金を働きに出すことによって、経済の成長の恩恵を受けてお金が育ってくれる。その果実を私たち日本の生活者がしっかりと取り込むことで、たとえ拠って立つ日本経済がこの先も元気になれなかったとしても、私たちのお金が豊かな人生創りの糧となってくれるはずです。それを合理的にかなえてくれる投資行動3原則が「長期・積み立て・国際分散」投資なのです。
「iDeCo」も「つみたてNISA」も長期で積立投資を自然と実践させてくれる仕組みが構築されています。あとは世界全体を的確に網羅する国際分散型ポートフォリオの商品をしっかりと選択することです。このコンセプトで真摯に運用してくれるお相手(商品であり運用会社)を自らの目で見つけ出して、プレジデント ウーマン読者の皆さんは将来の経済的自立へ向けて、早速行動を起こしてください!
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1963年生まれ。東京都出身。明治大学卒業。1987年、現在のクレディセゾンへ入社。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用のほか、外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、クレディセゾン インベストメント事業部長を経て、2006年にセゾン投信を設立。2023年6月に代表取締役を退任。セゾン文化財団理事。著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)などがある。