お金が安定的に増える運用先とは
資産運用において最も普遍的に長期の成長軌道が見いだせるお金の働き場所はどこか? 世界的潮流として定着している考え方は地球全体です。地球経済、つまり世界経済全体は過去から現在に至るまで基本的にずっと成長を続けています。無論その時々で成長をけん引する主役は次々と入れ替わりますが、世界全体としての成長ペースは長期的に3~5%程度の範囲で、毎年極めて安定した軌道を示しているのです。
プロの運用においても、世界の経済成長という軌道にお金を載せてリターンを積み上げていく考え方がメインストリームになっており、これを国際分散投資といいます。それをかなえるべく世界中の経済活動に分散させてお金が働きに出られるよう構築された資産配分を国際分散型ポートフォリオと称しています。
ここで大切なことは、しっかりと世界の経済成長を取り込める適切なポートフォリオの商品を選択することです。それは地域の偏りなく地球経済全体に分散して投資することであり、世界経済にくまなく一定のルールにのっとって分散させることです。換言すれば特に高いパフォーマンスが期待できる地域を選別することなく、いつも世界全体の成長軌道を捉えて、そこに相応なリターンを享受していく、言わば「足るを知る」考え方でもあるのです。
日本人が選びがちなポートフォリオ
日本では国際分散型ポートフォリオといっても、「私たちは日本人だから」と日本への投資比率が高い商品が多くなっています。しかし、日本は21世紀に入って以降世界の経済成長率をずっと大きく下回る成長力にとどまっており、日本への投資配分を大きくしていると、世界全体の成長力そのものを取り込むことが難しくなります。ですから、相対的に日本の投資比率が高い国際分散型の商品は避けた方が無難ではないかと考えています。
また、国内市場だけのポートフォリオで運用するものや、日経平均やTOPIXといった代表的なインデックスファンドだけでは、成長力の脆弱な日本経済に専ら依拠してしまうことになります。資産形成を目的にするならば、この選択肢のみに集中することはいくら長期保有しても合理的には報われにくいといえるのではないでしょうか。