男性社会で自分らしくいるために
グローバルな思考を養いたいなら、パワフルな海外のキャリアウーマンの愛読書が役立つはず。彼女たちはどんな本を積極的に読んでいるのか。世界で活躍する経済ジャーナリストの谷本有香さんはこう話す。
「トップで活躍する女性は、男性社会で生き抜くための指南書を意識的に読んでいます。一見強そうなリーダーでも、実は女性ならではの悩みや葛藤を抱えているもの。意外に思えますが、“あなたのままでいい”というメッセージの本も人気」
自分らしく仕事をするためには、足元を固め、ぶれない精神を持つこと。そのための処方箋を本に求め、自身の考えを形成しているのだ。
一方、六本木ヒルズライブラリーの選書を担当する小林麻実さんは、「海外の女性は、自分の意見をつくっていくための道具として本を活用している」という。歴史や古典から、環境問題やLGBTなど話題の本まで、幅広いジャンルを読む。そして、「目の前の課題とすり合わせて、自分なりに消化している」と小林さん。
パズルのピースを組み合わせるように本から解決策を見つけ出し、考えを醸成するというわけだ。彼女たちの「本棚」を見てみよう。
仕事の方法論が変わる一冊
仕事に行きづまったときに突破口を見いだす本。男性社会での立ち居振る舞いを学ぶのもよし、環境問題からビジネスの考え方を転換させるもよし。仕事への取り組み方が変わるはずだ。
環境問題から学ぶ発想の転換
『HOPE 都市・企業・市民による気候変動総力戦』
マイケル・ブルームバーグ、カール・ポープ著●ダイヤモンド社
筋金入りの資本主義者が、堅く考えがちな環境問題を軽やかに論ずる。「『ルールに従う』という発想から『環境にいいモノはもうかって、客も喜ぶ』という明るい話に転換。ビジネスがモノを生み出す楽しさを学べる」(小)
男性社会という名のゲームの攻略本
『ビジネス・ゲーム』
ベティ・L・ハラガン著●光文社知恵の森文庫
男性社会で女性がビジネスという「ゲーム」のルールを知り、かしこいプレーヤーとして生き延びる策を列挙。「キャリアウーマンにふさわしい服の選び方、言葉の使い分け、お金の考え方など、実用的な記述が満載」(谷)