シンガポールでは老後1億円必要

シンガポールでも老後の生活を送るには約1億円前後必要だと考えられています。シンガポールの社会保障制度は相互扶助の精神からなる日本の年金制度と違って、自分が現役時代に貯めた分を自分で利用する仕組みになっています。若い世代が高齢者を支える日本と比較して公平ではありますが、自己責任的なシステムになります。

CPF(中央積立基金)という強制貯蓄の仕組みがあって、医療費用、持ち家取得、老後生活に備えます。55歳以下の労働者は収入の20%、雇用者は17%を拠出する形となります。

シンガポール人の場合は月収の約2割をCPF(中央積立基金)に、その他にも月収の1~2割を老後のために備えています。平均的な月収は約30万円で、ここから3割以上を将来のために貯めておくのです。

理由は、CPFに最大限払い込んだとしても老後受け取れる金額は20万円にも満たないからです。CPFに貯めたお金は、住宅取得や医療など他の目的にも使うこともあるので自力でも貯めないと老後の生活はおぼつかないと言います。多くのシンガポーリアンは持ち家ですが、それでも老後のお金は十分ではないために共働きをしたり、長く働いたり、自分たちでも別途老後の貯蓄を作ります。

教育費も安くはありません。もし、子供をローカルの学校に行かせ、シンガポールの大学に進学をする場合は日本の公立コースくらいの費用ですが、海外の大学に進学する人も多いので渡航先によっては莫大な金額になるようです。また、自動車にも非常に高い税金がかけられているために日本以上に維持コストがかかります。月に約20万円前後かかると言われており、車を保有せずに公共の交通機関を使う層も多いです。また、共働きだとヘルパーを利用するため年100万円弱の固定費となります。