富裕層の2大関心ごと

富裕層の関心ごととして、1つは子供の教育ですが、もう一つに税金のことがあります。富裕層ほど会計士や税理士などの専門家を雇い、税金対策をしっかりとしています。より低い税率を求めて海外に渡る富裕層も多いのです。

給料の高い外資系の金融機関で働いていた友達は、日本にいた時にいかに重い負担があったかシンガポールに来て気付かされたそうです。所得税で45%、住民税で10%、社会保険料で約14%取られると、いかに高級取りでも手元に残るものはごくわずかになります。シンガポールの所得税の最高税率は22%で、住民税はありません。また、キャピタルゲインも原則として非課税、相続税や贈与税もありません。

そのため、家族全員で海外移住をする家庭も増えているのです。相続税法の「10年ルール」と呼ばれるものがあり、大雑把にまとめると、家族全員で海外に移住して、10年超待てば、海外に移した資産に関して、原則的に日本の相続税や贈与税を課せられずに済むのです。

一方で日本では海外に逃げる財産に対しての課税強化が続いています。2015年7月に導入された「出国税」は、1億円超の有価証券を保有する人が海外に移住する場合、株式などの含み益に課税を行うというものです。

以前に比べると海外にお金を逃がすことが難しくなったとはいえ、海外に住む日本人の数は増え続けていきます。各国の政府が課税や情報交換を強化しても、富裕層も優秀な専門家を雇って対策を講じるのでイタチごっこになっています。

気になる富裕層の素顔ですが、代々の富裕層という人ほど、堅実なので地味で見た目からして富裕層と見抜くのは困難です。他方で、一代にして財産を作ったニューリッチ達はオーラもあり、派手なのでオールドリッチとは違って見分けやすいです。ただし、派手だけど貯金額は少ないエセセレブも多いです。シンガポールでは狭いエリアに色んな人が住んでいるので超富裕層の生活も垣間見れてエキサイティングです。

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