夏本番に向けての助走段階である「小満(しょうまん)」がスタート。カラダが活発に動きはじめる時期のため、気づかぬうちに心臓に負担がかかっていることも。小満の季節のココロとカラダの養生法を知りましょう。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat)

「五月晴れ」「衣替え」。季節の移ろいを実感する時期は、心臓に要注意

5月21日~6月5日は小満(しょうまん)です。小満とは、動物や植物の生命力が次第に満ち、生命の力強さを感じる季節です。この季節は衣替えの時期でもあり、名実ともに季節の移り変わりを肌で感じることができます。

一方、カラダの動きも活発になるため、心臓に大きな負担がかかります。そのため、動悸やめまい、ふらつきなどが表れやすく、血圧が高くなりやすくなる時期でもあるので、心臓に負担をかけないような生活が重要となります。

小満は、草木も花々も、鳥も虫も動物も人も日光の光を浴びて輝く時期。季節のはじまりの初候は、別名「木の葉採り月」とも呼ばれ、蚕(かいこ)のエサである桑の葉を包む頃という意味があり、ソラマメや魚のキスが旬を迎え、テントウムシの姿を多く目にするでしょう。また、水が張られた田んぼの上にぽっかりと月が浮かび、水面に月影が映し出されていくさまを「田毎(たごと)の月」と呼び、独特な光景が見られる時期です。

季節が進む次候では、五月晴れと呼ばれる、五月雨(梅雨)の合間の晴れ間が特徴的です。ベニバナが咲き乱れ、シソやクルマエビが旬を迎え、潮干狩りも本格化してきます。

末候は衣替えの時期で、四十雀(シジュウカラ)の鳴き声が聞こえはじめ、ビワや魚のベラが旬を迎え、麦が黄金色に染まり、刈り取りの時期となります。

肩こりは、血圧が変化しはじめている初期症状

小満は、夏がはじまり、活動が盛んになります。エネルギー代謝が活発になることから、血液循環も激しく、心臓に負担がかかりやすくなります。東洋医学では特に「笑いすぎは心臓に負担をかける」と考えているため、笑いすぎには注意が必要です。一方、心臓への負担は、血圧の変化を起こします。血圧の変化は肩こりのようなごく軽度な症状から、めまいや立ちくらみ、フワフワと地に足がついていない感覚や、動悸・息切れなど深刻な症状へと発展していきます。血圧変化の初期は、特に左肩がこるといった症状からはじまることが多いため、肩を動かさなくても肩こりの感覚がある場合は、定期的に血圧を測定することが大切です。

なお、血圧は140/90mmHg以上(家庭で測る場合は135/85mmHg)が高血圧の基準とされており、日中などの活動時は少し血圧が高くなるので、早朝時の血圧で判断するとよいでしょう。肩こりが強い人は、血圧の変化にも注目しましょう。

小満は、活発に動き始めるがゆえに、カラダの不調からはじまり、ココロの不調に発展しやすい時期。特にココロに影響が出はじめると、周りの人が頑張っていたり、活発に動き回ったりする姿を見ることがココロの負担となり、集中力が低下し、気力がなくなります。心身のバランスをくずしやすく、頑張ろうと思ってもなかなか頑張れなくなります。無理に頑張ろうと焦らず、ココロとカラダを落ち着け、整えることが大切です。