休日は「デジタル・オフ」
ハイファッションの世界は忙しいですし、海外出張も多い。仕事はおもしろいので、つい休みの日にも、ビジネスの本を読むなど仕事につながる勉強をと考えがちです。でもそれでは、世界が狭くなってしまいます。休暇に仕事の世界から離れることは、視野を広げることにもなるし、エネルギーの充電にもなります。
休日に意識しているのは、スマホやパソコンなどのデジタル機器から離れる「デジタル・オフ」です。私も夫も仕事中は電話やメールに追われていますし、子どもたちもスマホやゲームは好き。デジタル・オフというと子どもたちはすぐ「つまらない」と言いますが、そういう時間をどう過ごすか自分で考えたり、家族でただ会話したりすることが必要です。そんな時間を通して、想像力が育まれるからです。
本当は私も、休日でも売り上げは気になるし、ついスマホを手にしたくなってしまいますが、ぐっと我慢。犬の散歩に行ったり、一緒にクッキーを焼いたりと、画面を見ないで一緒に過ごすようにしています。
デジタル・オフを意識するようになったのは、子どもが小さい時に描いた、家族の絵がきっかけです。私の姿は、トレードマークになっている赤い口紅。そこまでは良いのですが、携帯電話で話しているところだったのです。「これって、私が絶対なりたくなかったママの姿だわ」と、ショックを受けました。
「こたつ」のすごさを思い知る
今は本当に便利で、スマホがあれば買い物もできてしまうし、友達とコミュニケーションも取れてしまいます。空いた時間も、スマホがあれば暇になりません。だからこそ、デジタルから離れた時間をどう過ごすか、意識して子どもに教える必要があると思います。
土日は、よほど緊急なことでもなければ、仕事の電話対応はしません。普段は忙しいので、週末はできるだけ100%子どもに意識を向け、「お母さん」に集中したいのです。
どうしてもメールを確認したいときは、子どもたちに見られないように、就寝中などこっそりやっています(笑)。
それから、もう暖かくなって片付けてしまいましたが、この冬、我が家はこたつを買いました。洋風の家なので全然似合わないのですが、これがデジタル・オフにとてもいいのです。こたつがあると、家族が集まりますし、お互いの顔も見えて自然に会話が始まります。家族との絆を深め、子どもたちの会話の力にもつながります。おすすめです。
会話はコミュニケーションの基本ですし、子どもたちにはぜひ、コミュニケーションの力を身に付けてほしい。それは将来、家を出て外の世界に羽ばたくときにも必ず役立つと思います。