「結婚をあきらめる年齢」が存在しなくなってきている

【白河】アンケートを見ると、婚活に積極的な人は少数派のようですね。でも40歳以上の結婚については賛成が多数派です。そして40代前半では子どもが欲しい人が37%。今や女性が結婚をあきらめる年齢というものは、存在しなくなってきているのかもしれません。

40代は「今ならまだ産めるかもしれない」という葛藤とともに結婚を考えます。これが50代になると、老後のことを考えた「老後婚」も増えてきます。親も年をとり人生後半がリアルになる年齢。そんなとき、やはり共に生きていくパートナーがいたほうがいいなと思えてくるのです。

ところが多忙のために行動を起こさない人が多いのも事実です。今の40代はちょうど30代の頃に婚活ブームの洗礼を受けています。その波に乗れなかったということは、やはり自分から行動を起こすことに抵抗があるのかもしれませんね。でも自分から積極的に行動を起こさない限り、なかなか縁というものは巡ってきません。もしも40代で真剣に結婚したいと考えるのなら、積極的に人の輪に入ること。たとえば社会人大学院のような学びの場に通ったり、同窓会に出かけてみたり。また同年代ではなく年下、あるいは10歳以上年上の男性との「猪瀬婚」もアリではないでしょうか。

40代になって結婚する可能性は何%といったデータは、気にすることはありません。団塊ジュニア世代の生涯未婚率も今後上昇していくことが予測されていますが、それはよく捉えれば、それだけ結婚相手がいっぱい残っているということです。

自分に収入があれば、その分、間口は広げられるんですよ。

筒井淳也
立命館大学 教授
1970年福岡県生まれ。93年一橋大学社会学部卒業、99年同大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は家族社会学、計量社会学など。著書に『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界』など。
 

白河桃子
相模女子大学客員教授、作家
慶應義塾大学卒。女性のキャリア、働き方改革などがテーマ。山田昌弘中央大学教授とともに著書『「婚活」時代』で婚活ブームを起こす。『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』など著書多数。働き方改革実現会議有識者議員。