女性の結婚満足度は、年数とともに下がる一方
【筒井】今回のアンケート結果にも出ていますが、結婚年数とともに妻側の夫に対する評価は辛口になるものです。これは万国共通。結婚満足度は昔、U字形といわれていました。満足度は結婚後に下降するけれど、約20年後から再び回復すると。しかし統計学的な分析をすると、どうやら満足度は下降する一方のようです。
アンケートの回答者は正規雇用の会社員・職員の方が多いですね。やはりワーク・ライフ・バランスのきつさはストレスの大きな要因になります。夫は普通に働き、妻は仕事をセーブして……という関係であれば、なおのこと。心の底では自分のほうが仕事ができると思っていても、その能力を発揮できないイラだちや不公平感があるからです。
この状態を少しでも改善していくには、まず家事を頑張りすぎないことです。日本人女性は家事をきちんとやりすぎる傾向がありますので、ここは欧米を見習って「できないことはやらないこと」。またワーク=仕事、ライフ=育児という考え方をやめることも大切です。これは先進国に共通して言えることなのですが、子どもがいる女性のほうが幸福度が低くなるんです。自分のための時間を犠牲にして、育児に時間を割いているという意識があるからでしょう。この意識を是正していくには、ワーク=仕事・家事・育児、ライフ=自分の自由な時間と捉えたうえで、バランスを取り直すこと。
夫婦間の会話も増やしたいですね。年数とともに会話時間が減少するという結果が出ていますが、会話もなく「別にいなくてもいい夫」と思った瞬間から、“夫がいること”自体がストレスになっていってしまいます。
男性大黒柱幻想と3歳児神話を同時に捨てるべし!
【白河】結婚後の後悔の1位は「家事・育児の能力」、2位は「金銭感覚」という結果からもわかりますが、夫婦間でもめるのはいつも、お金と家事です。特に共働き夫婦の場合、家事は必ず問題になりますね。
今の40代は育休世代のはしり。女性が仕事も育児も両立できるよう、2008年頃から育休延長や時短勤務など、制度が急速に手厚くなりました。しかし、それにより家事や育児は長く休める女性のもの、という色合いが逆に濃くなってしまいました。両立支援制度のトラップにはまらないよう注意が必要。産後早めに夫婦の分担を決め、早く職場に復帰するのがワンオペ回避になります。