東京都美術館(東京・上野公園)で2019年4月23日(火)から7月10日(水)まで開催される「クリムト展 ウィーンと日本1900」(7月23日~10月14日、豊田市美術館に巡回)。本展のスペシャルサポーターに就任された稲垣吾郎さん(新しい地図)が、都内某所にて音声ガイドの収録に臨んだ! 収録を終えた稲垣さんに、初挑戦となった音声ガイドについて伺った。

――美術館の音声ガイドのナレーションを初めて担当した感想はいかがでしたか?

(稲垣さん:以下IG)僕は美術館に行くのが好きで、鑑賞する際に音声ガイドを借りることもあります。なので、音声ガイドのナレーションは一度やってみたい仕事のひとつだったんです。今回音声ガイドの収録で作品解説を読み、僕もクリムトについて勉強できた気分です。抑揚をつけたり感情を込めたりして、表情で伝えられない部分を声だけでどう表現するのかという挑戦が、ナレーションの仕事の楽しいところですね。

撮影=山本倫子

――音声ガイドの収録にあたり、気をつけたところや意識したことはありますか?

IG:僕の姿やキャラクターを思い浮かべながら聴いてくださる方もいると思うので、自分の個性を生かすことを心がけました。ただ、作品の解説をナレーターとして伝えることも重要なので、タレントとしての僕とナレーターとしての僕のバランスを取ることを心がけました。

――稲垣さんは舞台「No.9-不滅の旋律-」で主役のベートーヴェンを演じられましたが、音声ガイドの解説では作品によって声のトーンを変えるなどしましたか?

IG:圧巻の壁画《ベートーヴェン・フリーズ》や、ベートーヴェンに関するトラックでは、自分がベートーヴェンを演じたことを思い出しながら話しました。声色としてそれが伝わると思います。

――クリムトの作品について興味深いところはありますか?

IG:クリムトといえば豪華絢爛な金箔のイメージが強かったのですが、風景画を多く描いていたのは意外でした。美しさに惹かれました。また、印象派のようなフワッとした色合いの肖像画も気に入りました。なんとなく暗さもあるところが心地良く感じます。豪華絢爛なものも好きですが、退廃的なものに惹かれる自分もいる。自分の趣味って矛盾するところがあるものだと思うんです、自分も皆さんも。