完成した建物を見ると、どんな苦労も報われる

最初は人前で話すことが大の苦手だったが、10年ほど前からようやく、「スピーチがうまい」とほめられるようになった。

「要点を的確につかんでいるし、説明にメリハリがある。身振り手振りをまじえて、注意を引くのもうまくなった」と、日比野さんも太鼓判を押す。「彼女は表には出しませんが、非常に努力家で、強い闘争心を秘めています。当社で女性の建築工事事務所長は、全国で彼女1人。いずれは大現場の大所長になってもらいたい」

尊敬する上司の期待を一身に受ける岡田さんだが、1社目を退職した経験から、「あまり仕事に没頭しすぎるのもよくない」と言う。

帰宅後は、ビールを飲みながら、ニュースやお笑いのバラエティ番組を見るのが楽しみ。1つの現場が終わったら、友人と3~4泊の海外旅行に出かけて羽を伸ばす。

「現場監督の仕事は、肉体的にも精神的にもかなり過酷なものだと思います。でも、建物が完成したときの喜びは何物にも代えがたく、それまでの苦労がすべて報われる気がします。もしもこの先、ドームをつくる機会があるなら、どこにでも行きます。自分のつくった球場で野球観戦ができたら、最高でしょうね!」

撮影=森本真哉