Q:「総コレステロール」「HDL(善玉)」「LDL(悪玉)」は、何を示しているの?
LDLは悪玉(コレステロール)と呼ばれ、血管壁にたまると動脈硬化を進行させます。善玉(コレステロール)のHDLは、その掃除役。総コレステロールはLDLやHDL、さらにそれ以外のコレステロールの類いも含めたものです。脂質異常症の診断では、LDLコレステロールとHDLコレステロール、中性脂肪を指標とします。
Q:3つの値はどうコントロールするのが適切なの?
LDLコレステロールを下げて、HDLコレステロールを上げることが大切。LDLコレステロールは高いほど心筋梗塞のリスクを高めます。乳製品や肉の脂身、鶏卵・魚卵などの取りすぎには要注意です。HDLコレステロールの改善には運動や禁煙が効果的。ただし、いずれも遺伝性の要素が大きく、生活改善に努めても難しい場合があります。総コレステロールは低値でも問題ないですが、肝硬変や甲状腺の病気の可能性も。
Q:今話題の「non-HDLコレステロール」とは?
悪玉コレステロールの代表格といえばLDLコレステロール。でも最近は、動脈硬化を促進する物質として、それ以外のコレステロールの存在が注目されています。そのリスクを総合的に評価する指標が、non-HDLコレステロール。善玉以外のコレステロールの総称で、数値は総コレステロール値-HDLコレステロール値の計算式で求めます。2018年度から40~74歳が対象の特定健康診査に導入された、検査項目です。
Q:お酒を控えれば「中性脂肪」は下がる?
中性脂肪はアルコール摂取量に比例して増加します。これは、アルコールの分解時に肝臓で合成される中性脂肪が増えるため。お酒とともにカロリー過多な食事も同様で、控えれば中性脂肪は下がります。なお、中性脂肪は低くても異常ではないですが、低栄養の可能性も。ダイエット中なら注意が必要です。
脂質異常症の因子は遺伝や食生活。体によいといっても植物性のオメガ3脂肪酸(ナッツやアマニオイルなど)の取りすぎには注意! 動物性脂肪分はもとより炭水化物や果糖の取りすぎも大敵です。逆に動物性脂肪を一切とらない食生活もコレステロール値を上げることがあります。
Q:「白血球数」と「CRP」が高いと、どんな心配があるの?
白血球は細菌やウイルス、炎症などから体を守る免疫機能です。一方のCRPは体内に炎症が起こると急激に増加する物質。つまり、この2つの数値が高いのは感染症や、体のどこかに炎症が起きているということ。がん、自己免疫疾患、心筋梗塞、外傷でも上昇します。炎症が起きると白血球はすぐに反応しますが、CRPの上昇には2~3日のタイムラグがあります。
白血球数は個人差が大きい数値です。日頃の自分のおおよその値を知っておくことも大事。喫煙は慢性的な炎症を起こすので白血球の数値が高くなります。ぜひ禁煙を。