Q:貧血はなぜ起こるの?

貧血に関係しているのは赤血球や、赤血球の中で酸素の運搬役を担っているヘモグロビン。ヘマトクリットは血液全体に占める赤血球の割合を示す数値です。貧血が起こる原因の多くは、ヘモグロビンが足りない鉄欠乏性貧血。ヘモグロビンの材料である鉄の不足や慢性的な出血で起こります。このほか胃切除後のビタミンB12の吸収障害や造血機能の低下で生じる場合も。

イラスト=窪田エリー
Q:貧血は特につらくなければ、放っておいても大丈夫?

貧血とは酸欠状態のこと。いわば日常的に高地トレーニングを行っているのと同じようなものなのです。心臓に負担をかけるので、自覚症状がないからといって軽視してはいけません。なんとかヘモグロビン値11以上は保ちたいところです。女性は閉経まで月経のたびに血液を失い、そのつど貧血状態になります。過多月経の原因となる子宮筋腫や子宮内膜症、子宮内膜増殖症などの場合はそれが顕著に。30~40代に多い病気なので注意しましょう。

▼改善するには?
鉄剤などの処方薬やサプリメントで改善を図りましょう。ただし、治療を中断するとまた貧血に。改善後も一気に中止せず、毎日飲むことに抵抗があるなら医師に相談を。
Q:「血糖値」と「HbA1c」の違いは?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと。検査を行った時点でのピンポイントの数値です。一方のHbA1cは、過去1~2カ月の平均血糖。ともに糖尿病の診断と血糖コントロールの状態がわかる指標で、空腹時血糖値126mg/デシリットル以上かつHbA1c6.5%以上なら糖尿病と診断されます。血糖値は高い状態が続くと血管を損傷し、心筋梗塞や脳梗塞、神経障害、網膜症、腎症、足病変など、全身にさまざまな合併症を引き起こします。進行すると、失明や人工透析が必要になる大きな原因に。

Q:空腹時と食後に測定する「血糖値」には違いがあるの?

通常、血糖値は食事の直後から一時的に上がり、膵臓から分泌されるインスリンの働きによって、食後2時間でほぼ空腹時の数値まで戻ります。その機能が低下し、いつまでも血糖値が高い状態が続くのが糖尿病。食後血糖値が高めであればインスリンがうまく働いていないということがわかります。空腹時血糖値110mg/デシリットル未満、食後血糖値140mg/デシリットル未満なら正常です。また最近は、食後に血糖値が急上昇した後、急下降する「血糖値スパイク」が、血管の損傷を早める原因として注目されています。この場合、空腹時血糖値やHbA1cは正常なことも多く、健康診断ではなかなか見つからないこともあります。

Q:尿糖が出ていなければ、糖尿病の心配はない?

腎臓が処理できる血糖の限界を超えると、糖は尿中に排出されます。尿糖が出る(陽性になる)のは、血糖値がおおよそ170~180mg/デシリットルを超えたとき。そのため、糖尿病の疑いのある人でも陰性になることがあります。一方、尿糖が出ても血糖値が正常な人は、腎性糖尿といって大抵心配ありません。

▼改善するには?
糖尿病も遺伝や生活習慣が大きく影響する数値。運動不足、肥満、過度のストレスが強く関係しているので、食生活を正し、日常の活動量を増やすことが大切です。