【2】検査結果の見方を知ろう
健康診断で知りたいのは要経過観察や要再検査の判定結果だけ? 数値の見方や検査項目と臓器・器官の関係性を知って、もっとデータを有効に活用してみましょう。
Q:基準範囲内でなければ、異常と考えるべき?
基準範囲とは、健康と思われる人で測定した検査値のうち、極端な数値を除いた「95%信頼区間」のデータ。健康な人でも5%は基準範囲から外れることがあります。基準範囲内でないからといって、必ずしも異常なわけではなく、むしろ個人の変動幅が重要です。ただし、「要経過観察」などの場合は、体調に変化が起きたらすぐに医療機関を受診することも必要。翌年も健康診断を受け、経時的に変化をみていきましょう。
Q:前回より数値が上がっていたけれど、「A判定」なら心配ない?
A判定だから必ずしも安心ということではありません。検査項目の中には年齢とともに数値が上がりやすいものも。例えば、肝機能の指標の1つであるγ-GTP(γ-GT)は、女性ホルモンと深く関係していて、飲酒習慣のない人でも閉経近くから上がり始めることがあります。場合によっては30代で上昇する人がいるほどです。「異常なし」であっても、その変動をみることで全体の傾向や今後のリスクを知る手がかりになります。
Q:急激に上がりやすい数値ってあるの?
暴飲暴食などによって圧倒的にすぐに上がりやすいのは中性脂肪です。また、コレステロールは年齢とともに上昇しやすい数値の代表格で、女性ホルモンと関係しています。おおよそ45歳ぐらいからほとんどの人が上がり始めるので要注意です。コレステロール値が高い家系の人は、特にLDL(悪玉)コレステロールの値に注目してください。このほか、遺伝的な要素の影響で上昇しやすい数値に、血圧、腎機能をみるクレアチニン、肝機能などに関係するアルカリフォスファターゼ(ALP)などがあります。血圧では拡張期血圧(下の血圧)に影響が現れやすくなります。