一方『エイリアン』もSFホラーの古典と呼ばれる王道もの。監督のリドリー・スコットが細部まで妥協せずに作っているので、誰も描けない独自の世界観が魅力です。続編も好きですが、1作目の『エイリアン』が一番怖い! エイリアンの手作りの装飾の素晴らしさとか、得体のしれない未知の生物ぶりに背筋がぞっとします。それに最初の『エイリアン』は人間関係も丁寧に描かれていますね。
シャツ5万8000円/ERDOS、スカート3万5000円/AVERY ROW、イヤリング6800円/ジュール クチュール、リング12万9000円/CHERRY BROWN、パンプス2万9000円/ナポレオーニ ※すべて税抜き(本体)価格。
近年、ドラマでは変化球ものが増えているようです。でも先々まで残る名作というのは、映画でいえば、やはり王道なのかもしれないと考えさせられます。
人間とは何か。秀逸なホラー映画が示唆
『死霊館』も『エイリアン』も“生き残る”という人間の生物としての本能が描かれています。化け物や幽霊からすれば、こちらはただの肉の塊なので、襲う相手の社会的地位なんて関係ありません。ある意味究極の平等下で、理性や勇気が試される。その異常な状況のなかで、自分の命よりも愛する人や子どもの命を守りたいという普遍的な愛、嫌な奴だったのに、最後は男らしく死んでいくといったエピソードに人は感動するのでしょう。
宇宙空間とか心霊現象とか、普通ではありえない設定が「人間って何なのか」と熟考させます。それが秀逸なホラーやSFを挙げた理由です。苦手な人もいらっしゃるかもしれませんが、“食わず嫌い”にならずぜひ1度ご覧になってみてください。
本も映画も、役者として活動するための栄養みたいなものなので、プライベートで石や虫と戯れ、趣味の釣りなどをしている以外は、ほぼずっと本を読み映画を見ています(笑)。こうやって吸収した知識や教養は、パテックの懐中時計のように目減りしないと感じています。