▼ありがち! iDeCoについての勘違い&疑問
Q 確定申告が必要でしょ? そんなの面倒
A 会社員なら確定申告は不要で、毎年10~11月頃に届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」という書類を年末調整の際に提出すればOK。ただし、10月以降にはじめた場合は年末調整に間に合わないので、1年目だけ、確定申告が必要に。またフリーランスも確定申告の際に併せて申告する。それほど難しくないので重く考えないで。
Q 働き方が変わるかもしれないのに、iDeCoをはじめるなんて危険でしょ?
A 女性は働き方も収入も変化しやすい。途中で積み立てできなくなったら困ると悩む人も多いが、冷静に考えてみよう。金額は年1回変更できるし、状況によっては一時休むこともできる。「積み立てを休んでも毎月一定の手数料がかかるので、最悪どのくらいの手数料損になるかを計算し、それを許容できるかを考えてからはじめると気持ちがラクですよ」と、野尻さん。例えば楽天証券では積み立てない間に負担する手数料は1年で768円(信託銀行の手数料のみ)。この程度なら再開後に受けられる税メリットでカバーできる。
Q フリーランスにとってはiDeCoが最強?
A 会社員より公的年金が少ない自営業やフリーランスはiDeCoを積極的に活用したいが、もうひとつ検討したいのが、拠出時と受取時にiDeCoと同じメリットがある「国民年金基金」。iDeCoは自身で築いた原資を一定期間で受け取っていくのに対し、国民年金基金には一生涯受け取れる終身年金のタイプもある。長生きする可能性もふまえると、終身年金は心強い。iDeCoと合わせて年間81万6000円までなので、両方使うというのも一案。
野尻美江子
ファイナンシャルプランナー
書店勤務を経て、ファイナンシャルプランナーに。投資に強く、専門的な知識をわかりやすい言葉で伝えている。ラジオNIKKEIなどにコメンテーターとして出演。
 

畠中雅子
ファイナンシャルプランナー
家計管理、生活設計、生命保険など幅広い分野を得意とし、現実的で具体的なアドバイスが人気。『これで安心! 入院・介護のお金』(共著・技術評論社)など、著書多数。
 

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