▼上級者編:さらに覚えておきたい5つの指標

銘柄選びの参考になる4つの投資指標を解説してきましたが、他にも数多くの指標があります。ここでは、覚えておくと参考になる5つの指標を紹介します。

【自己資本比率】
会社の安全性をチェックする

資本とは会社が事業を営む際の元手になる資金ですが、株主から集めた資金など返済の必要のない資本を自己資本、銀行からの借り入れなど返済の必要がある資本を他人資本と呼びます。自己資本比率は会社の資本のうち自己資本の割合を示します。数値が高いほうが経営は安定しているといえますが、業種による差があるので、業種平均と比較するのが有効です。

【PCFR】
現金を基準にして経営の安全度を判断

PCFR(株価キャッシュフロー倍率)はキャッシュフロー(CF)、つまり現金の動きを基準にした指標です。「株価÷1株当たりのCF」で計算します。CFには営業CFと投資CFの合計額を使います。この計算式はPERと似ています。分母が「1株当たりの予想純利益」から「1株当たりのCF」に変わっただけです。

どちらを重視すべきかといわれればPERですが、PCFRは景気が厳しい状況になったときにPERと組み合わせて使うことで実力を発揮します。景気が悪くなると取引先が倒産して売り上げを回収できなくなる可能性があります。PCFRが低ければ、しっかり回収できる可能性が高くなります。

【経常増益率】
会社の成長性を測る代表的な指標

経常増益率は、ROEと同様に会社の成長を見る指標です。ただ、ROEは収益力を見るのに対し、経常増益率は、成長が加速しているか減速しているか、その方向性を表しています。「(予想経常利益-実績経常利益)÷実績経常利益」で計算します。経常増益率の数値が高いほど成長が加速していると判断しますが、どの程度の数値がいいのかは難しいところです。景気がよければ経常増益率が高くなる会社が増え、景気が悪くなれば減るからです。あえて目安を出すなら、8%以上の会社なら経常増益率が高いと考えましょう。ただし、経常増益率が高くても、すでに株価が上昇していることもあります。よってPERと組み合わせて判断するといいでしょう。