本とカレーの街、神保町の新顔書店

オフィスビルと書店が混在する“本の町”に登場した「神保町ブックセンター」は、本好きなビジネスパーソンの憩いの場になっている。

本屋×喫茶店×コワーキングスペース!
神保町ブックセンター with Iwanami Books
【DATA】東京都千代田区神田神保町2-3-1 岩波書店アネックス1階、2階、3階
電話 03-6268-9064
(営)平日9:00~20:00、土曜・日曜・祝日10:00~19:00 (休)不定
1.レトロかつモダンな店内。喫茶スペースを囲むように書架が並ぶ。2.ガラス窓には、クラシカルな書体のロゴが。3.いちおしのメニューは、トマトでじっくり煮込んだチキンカレー。ジンのジンジャー割りなどアルコールも豊富。パフェなどのデザートも充実。4.有料のコワーキングスペース。月に数回、本にまつわるイベントも開催。
▼おすすめの一冊
『平面論 一八八〇年代西欧』(松浦寿輝/岩波書店)。作家で仏文学者、批評家でもある著者が、1880年代以降の西欧に出現した映像技術や大衆文化などの近代的イメージを多角的にとらえた一冊。現在の表象空間を読み解くうえでも示唆に富む名著である。

カレーなどの食事をはじめ、スイーツ、お酒のつまみまで出すカフェと一体化したつくりで、三方を本棚に囲まれた空間で飲食しながら全書籍の試し読みがOK。カウンター席には電源が完備。奥には会員専用の「コワーキングスペース」があり、芸術書に囲まれた知的な場所で集中して仕事をすることができる。

この新店を運営するのは「キッザニア東京」などを手がけたUDS。マネージャーの永礼欣也さんは、「“本の町”、神保町の顔になるような本屋にしたい」という。岩波書店の書籍を扱っていた「岩波ブックセンター」の跡地につくったことから、岩波書店の刊行タイトル約9000点と、同書店の書籍と親和性のある本を置く。岩波の本、というと堅いイメージがつきまとうが、児童書も豊富。見渡すと覚えのある絵本が飾ってあり、妙に落ち着く感じもいい。

好奇心をくすぐられる新顔書店へ、さっそく足を運んでみよう。

撮影=加藤純平