数字にからっきし弱いけど「ちょっとだけわかる人」に

友人に相談をしたら、「悩んでいる時間があるなら、勉強したほうがいいんじゃない?」と言われ、グロービス・マネジメント・スクールに通うことに。2年かけて、アカウンティングと経営戦略の基礎を修学しました。会計力を用いてどう経営の仕事をするかを学ぶ場なので、決算書を読めることが大前提なのですが当時は基礎的なことがわかっていなかったため、予習・復習に追われる毎日。なんとしても授業に付いていくために猛勉強しました。その結果、会計が得体(えたい)のしれない、正体不明なものではなくなったんです。

会計の右も左もわからない頃に書店で購入したそう。持ち運びのしやすい単行本サイズで、通勤途中の勉強に最適。「基礎的な内容なので、これから会計を学びます!という人におすすめです」

会計が少しわかったら、自分の仕事を相手に伝わる言葉で話せるようになりました。聞く耳を持ってもらえると、自分の意見も通しやすくなる。会計が自分の提案を裏付ける力強い材料になるんです。そして、決算書をもとに問題点をお互いに話し合って、解決するための策を打てるようにもなる。以前は承認してもらうだけだった相手と、同じステージに立って問題解決のできる仲間になれたことがうれしかったですね。

今でも私、数字にはからっきし弱いですし、数学は大嫌い。エキスパートでもありません。でも、「ちょっとだけわかる人」になった。例えば財務部門の人や会計士が目の前に来ても、ひるまずにいられる。それは若干の共通言語があるからなんですね。持っている知識は全然違うと思うのですが、対等にビジネスの話ができるようになりました。ワインでもファッションでも、少し知っていると話が弾みますよね。私の中で会計は、仕事と人生を楽しくしてくれる、リテラシーの1つなんです。

1993年:ユナイテッドアローズ原宿本店でアルバイトを開始
1996年:学習院大学経済学部を卒業後、ユナイテッドアローズに入社。販売促進部に配属
1999年:同社広告宣伝部に異動
2005年:同社社長室広告宣伝課で広告宣伝統括担当
2006年:グロービス・マネジメント・スクールに通い、会計と経営戦略の勉強を開始
2008年:同社経営開発本部経営企画部長就任
2009年:同社経営企画室長就任
2010年:同社執行役員就任
2015年:第1子出産
2017年:同社UA本部副本部長 兼 事業戦略部長就任
2018年:同社執行役員、人事部担当就任
「会計力」を強くするには?
▼会計専門のニュースアプリをチェックする

「ニューズピックス」というアプリがおすすめ。オリジナル記事のクオリティーがすばらしいと感じています。実名登録を推奨するソーシャルメディアなので、読者側も安易に稚拙なコメントはできない(笑)。会計カテゴリーのコメント欄を見ているだけでも勉強になりますよ。世の中を知るという意味では経済新聞を読む以上に力がつくと思います。

構成=福田 彩 撮影=川嶋一郎