入園決定率1位「豊島区」はなぜ1位なのか?

「2014年に“消滅可能性都市”と指摘されたのを機に、区が努力したと聞きました。女性が集まって街づくりを考えた“としまF1会議”での意見が区に届き、保育園を増やすことになったとか」と話すのは、豊島区に住む市原幸子さん、小林絵美さん、松本由美さん。この取り組み以降から保活状況が好転したと振り返る。

<写真上>豊島区にお住まいの小林絵美さん(左)、市原幸子さん(中)、松本由美さん(右)。3人とも豊島区歴5年。<写真下>北区にお住まいの渡邊陽子さん。おすすめスポットは、ウオータースライダーが人気の「元気ぷらざ」。

実際、その努力は数字にも表れている。同区は15年から3年間で認可保育所を22園、小規模保育所を13園新設。18年には12園の私立認可園の新設と、大規模な待機児童対策に取り組んでいる。

「下の子が12月から認可園に入れたんです。年度途中の入園なんて、3年前なら絶対に考えられない話。ここまで好転したのは、小池都知事のおかげかなってみんなで話しています」(市原さん)

「確かに第1希望の認可園は難しくても、第9まで書けば落ちなくなりましたね。上の子のときは点数稼ぎに必死でギリギリの精神状態だったのに、今、保活中のママに聞くと、“どこかには入れるから大丈夫!”って……。余裕を感じますね」(小林さん)

一方2位の北区は、「子育てするなら北区が1番!」というキャッチフレーズを掲げ、家賃補助や医療費助成期間の延長など、独自の支援を展開する。

生まれも育ちも北区という渡邊陽子さんは、あたたかみのある環境の北区から本当に離れられないという。子どもは3歳、認可園には無事に生後10カ月で入園できた。

「保活を始めたのは、募集開始直前だった12月から。もともと北区は入園が厳しい地区ではなかったのですが、3年ほど前“待機児童が少ない”と区が発表してから、徐々に近隣から移り住む人が増えていたので、念のため10カ所ほど見学に行きました」

家計に直結するオトクな子育て支援も!

「協賛店で割引や特典が受けられる“子育てにっこりパスポート”を区からもらえるのですが、わりと普通のお店で使えて、普通の中華屋さんで餃子を食べたり(笑)」

育児もお財布も、余裕を持って子育てできそうだ。

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撮影=伊藤菜々子