伸び悩んでいた僕の“心の失敗”を救った1冊
僕は陸上競技の世界で、“欲しがると勝ちが逃げる”ことを痛感していたので、与えてもらうことを欲するのではなく、己をコントロールする技術を身につけるという考え方に共感しました。
フロムはまず、自分が人を愛する準備をすることが大切だと説いています。自らが努力し続けて、鍛錬を積みながら愛する準備をする。他人の気持ちをコントロールするのではなく、自分の気持ちを変える。伸び悩んでいた僕の“心の失敗”を救ってくれた1冊です。
▼「無意識」の可能性を知り、日常がガラリと変わった
記録を伸ばすために、いかにゾーン(超集中力状態)に持っていくことができるか。そこに“意識”が深く関与していると考えはじめたときに読んだのが、『サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ』です。私たちが把握していると思っている世界は、私たち自身のほんの一部でしかなく、無意識で行われていることや、無意識の世界で起きていることが想像以上に私たちを支配している――。といった内容が、さまざまな実験や学説とともに紹介されています。自分の中に潜在的なもうひとりの自分がいて、想像できないほどの可能性が秘められていると思い至ったとき、これまでの日常が違って見えてきました。考えすぎた結果、失敗に終わるという経験は多くの人が持っていると思います。考えることはもちろん悪いことではない。けれど、想像以上の力や発想が湧くときは無意識で行っていることが多い。その無限ともいえる可能性に自分の成長に対する期待が芽生えたのがこの本です。