本や電子書籍は、パッケージとしての情報の詰まり方がいい。たとえば何かを調べるとき、ネット検索では3時間かけても似たような情報ばかりで、得られる知識は少ないですが、それについての新書を読めば、同じ3時間で体系的な知識を学べます。ネットに比べて、情報の入手効率が圧倒的に良いと思います。

それでもネット検索はするでしょう。しかし、検索ワードをいくつか入れ情報を絞り込むとき、基本的な知識がないと、2つ目、3つ目のキーワードが思いつかないわけです。その知識を手に入れるため、まず本で学ぶことをおすすめしますね。


▼頭に残すコツ
紙の本に近いデバイスを使う

「紙の本は反射光であるのに対し、スマートフォンの液晶は透過光。脳科学の研究で、透過光を見るとき人間の脳はリラックスしてしまうというデータがあります(トッパン・フォームズとニューロ・テクニカが実施したダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験による)。記憶に残したいならKindle Voyageのような反射光に近い端末を選ぶといいですね」

ジャーナリスト 津田大介
WEBマガジン「ポリタス」編集長。メディア・アクティビストであり、早稲田大学文学学術院で教壇に立つ。著書多数。共著に『決定版 原発の教科書』(新曜社)、『「ポスト真実」の時代』(祥伝社)などがある。
 

構成=小田慶子 撮影=強田美央