美しい器を毎日使って、発想のヒントを得ています
デザイナー
毛見純子さん●kay me 代表取締役
昨年、日本政策投資銀行主催の第5回DBJ女性新ビジネスプランコンペティションで大賞を受賞した毛見(けみ)純子さん。毎日が忙しく、洋服にかける時間もなかなか持てなかった前職時代の経験から、上質なジャージー素材だけでつくるワンピースブランド「ケイミー」を立ち上げた。
「クリーニングに出す時間も惜しいから自宅で洗える素材の服を探すのですが、見つけるのもひと苦労。“洗える・伸びる・シワにならない”素材で、仕事中に華やかな気分になれるような洋服をつくろう!って。それが、私なりの働く女性を応援するやり方なのではと思ったんです」
ロンドンでも展開している同ブランド。毛見さんによると、花と鳥を愛でてお茶を楽しむイギリスの文化は、日本文化と通じるところが多いそう。「デザインするうえで着物の柄からもインスピレーションを得ることがあるんです。日本の古いものに触れると感性が研ぎ澄まされていく。センスを触発されるものに、お金を使いたいと思っています」
そんな彼女がコツコツと集めているのがアンティークの食器。飾って眺めるのではなく、あえて日常使いしているという。「特に和食器は耐久性が高い。それは焼き方だったり、土の配分だったり、見えないけれど研究し尽くしてつくっているところがあるはず……。私は快適な素材だけで洋服をつくっているので、美しくて丈夫なものに常に触れて、“手で触れたときの感触”に、敏感でいたいと考えています」
Q 愛用の腕時計は?
A なし
時間はもっぱらiPhoneで確認。時計を着けない理由は、体に何かを巻きつけるタイプのものが苦手だからだという。「私がつくる洋服と同じように解放感や機能性を重視したい。だから、腕時計だけでなく、腕が重たく感じるようなブレスレットなどもしないんですよ」
Q この1年で何に一番お金を使った?
A アンティークの深皿
フランスなどから洋食器を取り寄せることもあるという毛見さんだが、やはり一番心を引かれるのは和食器だそう。なかでもお気に入りは絵付けが美しい皿。「このお皿(写真)は日本橋三越で購入しました。発色も絵柄も本当に美しくてほれぼれしてしまいます」