――まず、四條畷市はどんな街でしょうか。
この街は面積が小さいにもかかわらず、人口が約5.6万人と多く、最高のコンパクトシティー。都心からも近く、駅近で、国道や高速道路のおかげで非常に利便性が高い。それなのに若い世代の人口、とりわけ15歳以下の減少が激しく、財政的にも非常に厳しいというのが現状です。
そんな背景があり、28歳で、政治経験もなく、親族に政治家がいるわけでもない自分が市長に当選しました。これは危機感が市民にもあったということ。成功している自治体なら失敗を恐れるかもしれないですが、私のとるべき行動は守りではない、攻め続けることだと認識しています。
――副市長というポジションを民間の転職サイトを使って公募するのは前代未聞です。これもその意識の表れでしょうか。
副市長については、いわばこの市の「経営者」ですから、優秀な人材を全国から集めたいと考え、一般公募にしました。市の公募ではなく、民間のエン・ジャパンと組んだのは、とにかくスピード感があったから。今回は企画から公募開始までたった1カ月。市役所でやっていたら3年はかかります(笑)。そして、エンさんにとっても新しい取り組みということでプラスに感じていただき、一円も税金を使いませんでした。
「上も下も女性」という環境をつくる
――「女性」にこだわったのはなぜですか。
この組織には多様化が必要だからです。組織全体が、「市長が言ったらやる」という空気で、活発な議論は皆無。また、市の大きな決定をする部長会の参加者は全員男性で、違った視点からの意見がまったく出てこない。
2017年4月の人事異動でたくさん女性を昇進させ、人事課長や企画課長も女性にしました。私はここで「このチームでみんなでやろう」と口を酸っぱくして言っていますが、オジサンたちはすぐ「お手並み拝見」状態になってしまう。でも、副市長が女性になれば、上にも下にも女性がいて、男性たちも変わらざるを得ないでしょう。